作家・相川英輔が「意図的にぼんやり読書する」理由 電子書籍リーダーのおかげで入浴中が一日でもっとも幸せな時間に
不足する読書の時間を補ってくれる相棒
『黄金蝶を追って』、『ハンナのいない10月は』、『雲を離れた月』など、SF・ファンタジーのジャンルで話題を集める作家の相川英輔さん。兼業作家として忙しい日々を送る彼が、人生の豊かさとインプットの両立を目指し、お風呂時間の相棒に選んだのは……。
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わたしは兼業作家で、日中はいわゆる勤め人として働いているので、執筆に充てられる時間は限られている。だが、それ以上に不足しているのは読書の時間だ。創作のヒントとなりそうな資料やノンフィクションを読む必要があるし、純粋に本好きとして読みたい小説も山ほどある。ぜいたくは言わないので、自分だけ1日が30時間くらいあればいいのにな、といつも思っている。しかし、どれだけ強く願ってみても1日は24時間であることは変わりそうにない。ならば、可能な限り有効活用していくしかない。
そこで活躍しているのが、わたしの相棒「電子書籍リーダー」だ。
一日で最も豊かな時間
兼業作家になるまでは、入浴中は頭の中を空っぽにして湯に浸かっていただけだった。それはそれで大切な時間ではあったのだけれど、時間に追われるようになってからは入浴中に読書をするようになった。当時の電子書籍リーダーはまだ防水機能がなかったので、チャック付きのビニール袋に入れ、濡らさないよう細心の注意を払いながら読んでいた。だが、防水機能付きのものが発売されてからは憂いなく読むことができている。
ぬるめの湯に浸かりながら本を読むのは一日の内でもっとも豊かな時間かもしれない。ただ、長く入りすぎてのぼせてしまうことも多々ある。創作の参考になりそうな箇所を見つけても、風呂から上がってタオルで体を拭いた頃にはすっかり忘れてしまっているということも少なくない。
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