雅子さまがお生まれになった1963年12月9日には何が起きていたか 翌日の朝日新聞を紐解く

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雅子さまと「新人類」

 世代に対する名称は「団塊の世代」、「バブル世代」、「氷河期世代」などが使われているが、死語になったものも少なくない。例えば雅子さまは「新人類」に属される。1955年から1967年に生まれた世代だが、「聞いたこともない」という人も少なくないだろう。

「新人類と呼ばれた著名人の中から、雅子さまと同じ63年生まれを見てみましょう。目を引くのはダウンタウンの松本人志さんと浜田雅功さん、元プロ野球選手の工藤公康さんです。新人類は『従来の日本人とは異なる価値観や行動規範を持っている』と評され、ダウンタウンのお二人は漫才のスタイルが新しく、西武時代の工藤さんは従来のプロ野球選手とは異なる現代的なファッションに身を包むなど、時代の寵児として注目されました」(同・記者)

 ちなみに世代論として重要なのが、「新人類」は学生運動と距離を置いたという指摘だ。

 例えば64年上半期の芥川賞では柴田翔(88)の「されどわれらが日々」が選ばれ、単行本は186万部のベストセラーとなった。

 学生運動の挫折を描いた作品であり、新人類と重なるところある非政治的な「シラけ世代」の誕生に影響を与えたという議論も起きた。いずれにしても、70年代の学生運動はセクト化が目立ち、60年以降に生まれた男女が運動に参加することは極めて稀になった。

 バブル景気は86年12月から91年2月までの好景気だったが、ちょうど86年は雅子さまがハーバード大学を卒業し、東京大学法学部に外部学士入学された年にあたる。同じ年の10月に外交官試験に合格、翌87年に東大を中退し外務省に入省された。

 そして雅子さまも、従来の日本人にはない「新しい女性像」を鮮烈に示されたという点においては、新人類の1人と言っていいのかもしれない。

 バブル崩壊後の日本は「失われた30年」を経験し、現在も景気は低迷を続けている。雅子さまの60年の人生は、日本経済の栄光と転落と共にあったということになるのだろうか。

デイリー新潮編集部

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