【ゴルフ】「飛ばないボール」採用はアマチュアも対象に… 「ゴルフが生き残るために」浮上するもう一つの制限案

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ウッズとマキロイが賛成

 USGAとR&Aが3月に「飛ばないボール」の提言を発表した段階から、終始、賛意を示している筆頭は、ゴルフ界の王者タイガー・ウッズだ。

 バハマで開催された「ウッズの大会」、ヒーロー・ワールド・チャレンジ(11月30日~12月3日)に出場した際も、ウッズはこう語っていた。

「幼いころから今に至るまで、僕はキャリアを通じて終始、飛距離アップに努めてきたのだから、ボールの飛距離を制限することに違和感はある。しかし、(ゴルフコースを造るための)土地が地球上にいくらでもあるというわけではないという現実を考慮すれば、ボールの飛びをスローダウンさせる必要はある。そして、野球の木製バットと金属バットのように、ゴルフでもプロとアマで使用するボールを分けていく必要性を常に感じている」

 ウッズの言葉を耳にして、「僕もタイガーの説を全面的に支持する」と賛意を示したのは北アイルランド出身のロリー・マキロイだ。

「プロとアマで使用するボールを変えて棲み分けをはかるのはグッド・アイディアだ」

 そう言った上で、マキロイはさらにこんな持論も展開した。

「ボール制限を批判している人々が、なぜ怒る必要があるのか僕には理解できない。従来のボールを飛ばないボールに変えたところで、アベレージゴルファーには何の影響もないはずだし、ゴルフコースやゴルフ界のサステナビリティという意味でもボール制限はいいことづくめだ。僕たちプロにとっては『パワーのゴルフ』から、かつてのような『ワザのゴルフ』へ回帰することになり、ゴルフがより面白いものに戻るはず。ネガティブな要素は何もない」

反対派も…

 ウッズやマキロイとは対照的に激しい批判を展開してきたのは、メジャー2勝の米国人PGAツアー選手のジャスティン・トーマスだった。「ゴルフというゲームにとって最悪の規定だ」と怒声を上げたトーマスは持論を展開し、ボールの規制に猛反対してきた。

 全米プロ覇者である米国人選手のキーガン・ブラッドリーも「ボールの飛距離を制限するなんて、聞いただけでもぞっとする。恐ろしいことだ」と激しい怒りを露わにしてきた。

 端正な顔立ちと優れたファッションセンスで国民的人気を誇る米国人選手のリッキー・ファウラーも、正式発表される前から「そんな制限を設け、しかも(アマも対象にするという)チェンジを加えようとしているUSGAとR&Aは、20年以上の時代遅れだ」と珍しく厳しいトーンで批判していた。

 PGAツアーで1勝を挙げている米国人選手 のマイケル・キムは「マキロイが言っているサステナビリティ論は理解できない。そもそも僕たちPGAツアー選手と同じギアをアマチュアに持たせても、アマチュアがプロと同様のショットを安定して打つことはできないのだから、アマチュアが使うボールにまで制限を加えることに意味はない」とコメントした。

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