「トップスターの人事にまで口を出す」 宝塚親会社トップの妻の“独裁”ぶり「角会長も夫人には頭が上がらない」
宝塚のドン夫妻の“独裁”体制(後編)
現役団員・Aさんの死から2カ月余り。新理事長は観客に謝罪したものの、遺族と歌劇団の主張は平行線をたどったまま。前編では、騒動発覚後に親会社トップである角(すみ)和夫会長が語っていた衝撃の発言について報じたが、後編ではトップスターの人事にまで介入しているという、角会長の夫人の素顔に迫る。(前後編の後編)
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芸能記者が言う。
「角会長はこれまで『岸一眞』というペンネームで作曲活動も行っており、元星組トップの湖月わたるや花組トップの春野寿美礼らに楽曲を提供したこともあります。また新聞の取材には『新しい公演が始まると必ず見に行く』とも答えており、実際に夫人を伴って観劇する姿もしばしば目撃されています」
その夫人について、さる宝塚関係者が言うには、
「角さんより歌劇団に入れ込んでいるのは夫人です。コロナ禍で観客を呼べず、配信のみの公演を余儀なくされていた期間にも、夫人は観劇に訪れ、生のステージを鑑賞していました。本人は『貸し切りよ』などと喜んでいましたが、我慢を強いられているファンの人たちには聞かせられない言葉だと思いました」
そうした“熱意”は、時にあらぬ方向に向けられることもあるという。
「歌劇団の人事や生徒の配役にも口を出すことがあり、角さんもそれを止められないといいます。かつて夫人の鶴の一声でトップスターが決まったことがありましたが、実力ではなく完全に夫人の好みが反映されたため、選ばれた生徒自身はもちろん、周囲も大変苦労したと聞きました」(同)
さしもの総帥も夫人には頭が上がらないというのだ。
「コロナ前は角さんも、大阪・北新地などで飲むことがしばしばありました」
とは、さる阪急関係者。
「赤ワインが好きで、接待などで2、3軒はしごするうち深夜になってしまう。すると突然、店に奥様から電話が入るのです。『うちの人がお邪魔しているようですが、そろそろ帰るように言ってください』と。どうも専属の運転手から居所を聞き出しているふうなのですが、それまで女の子たちと飲んでいた角さんが、悟ったような様子で帰り支度を始める。家庭での“力関係”が垣間見えましたね」
「そんな権限はない」
当の夫人に尋ねたところ、
「無観客の配信公演に私が? 行くはずありません」
そう否定しながら、“人事介入”については、
「演出の先生には『一人でも多くの生徒にチャンスを与えてほしい』とは言いました。歌が苦手でもダンスが得意とかいろんな個性の子がいますよね。そういう子たちを起用して、ということであって、特定の子を起用するようになんて……そんな権限はありませんよ」
が、宝塚の「暴力と搾取」を告発してきたOGの東小雪氏は、
「生徒たちは皆、『スター路線に乗りたい』と必死で頑張っています。ところが音楽学校の合否基準が不明瞭なのと同じく、スターになる基準もブラックボックス化している。成績がダイレクトに反映されるわけではなく、何が決め手になっているのか全く分かりません」
としながら、
「音楽学校のトップを劇団の村上浩爾理事長が兼任することになりましたが、これはあり得ません。遺族に対して『証拠があれば見せて』などと発言するような人物が、生徒を守れるとはとても思えないのです」
そう断じるのだ。
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