西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」

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脳卒中の予防には

 脳梗塞は血液ドロドロというイメージだろうか。

「まあ、そう考えてもらってもいいでしょう。その血液ドロドロの予防、血管の血栓症や閉塞を予防するために抗血小板薬や抗凝固薬といった薬を飲んでいる人は、脳出血を起こしやすい。最近は特に、抗血栓薬による脳出血が増えています」

 脳梗塞の予防で飲んだ薬で脳出血に?

「そうです。また、コレストロールが低くなりすぎると、血管がもろくなって脳出血の原因となることもあります」

 どういうタイプが発症しやすいのだろうか。

「脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。脳梗塞の場合は糖尿病や高脂血症も危険因子となりますが、脳出血の危険因子にはなりません。脳出血の危険因子になるものとしては、大量の飲酒があります。お酒の飲み過ぎで肝臓を悪くすると血小板が減るため、血液が凝固されにくくなり、出血を起こしやすくなることがあります。また、喫煙は血管を詰まりやすくさせ、もろくもさせます。そのため動脈瘤の破裂も起こりやすくなります」

 予防法としては何があるのだろう。

「脳出血は血圧の管理が非常に重要です。正常な血圧は130-80未満です。それを超えるようでしたら食事の塩分制限で血圧を下げ、それでも不十分なら血圧を下げる薬を飲まないといけません。脳梗塞まで広げるなら、糖尿病や高脂血症、肥満やメタボの対策も必要になります」

 先生ご自身で気をつけていることは?

「僕は血圧が高いので塩分には気をつけていますし、血圧の薬も飲んでいます。後は肥満にならないようにカロリーや脂肪の取りすぎにも気をつけています。大それた運動はしていませんが、ウォーキングとストレッチくらいはやっています。そして睡眠は十分に取る。タバコはもともと吸いませんし、お酒はなるべく週末だけ、飲んでも1合くらいに止めています」

 そうした生活で予防できるのは、脳卒中だけではないという。

「脳卒中の危険因子は、ほとんど認知症の危険因子と同じなのです。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、大量飲酒、メタボ、慢性腎臓病……全部が両方の危険因子です。生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できるのです」

デイリー新潮編集部

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