「お前、また下手打ちやがって」で殴る蹴るされた親分は人事異動でどうなったか? 3代目弘道会傘下の人事に動きが
福島連合の会長が交代
正月の準備を始めるタイミングとされる「事始め」の時期が近づき、暴力団の世界の人事異動が一部聞こえてきた。勝手にすればいいという類の話なのは間違いないが、組織内の力学の変化がそのまま外部に影響、すなわち社会の迷惑にもつながりかねないので、当局も常にこの人事には注目をしているのだ。今回は3代目弘道会傘下組織のトップに動きが見られた。最近、子分に「お前、また下手打ちやがって」と言われ、殴る蹴るの暴行を受けたことで注目された親分にも転機が訪れているという。そこには、一般社会にある問題も見え隠れして――。
【写真を見る】驚きの井上組長との盃シーン、最高幹部が集まってルフィの上役を囲む
まず、3代目弘道会傘下、6代目山口組から見て3次団体の組織の人事に関する情報だ。
札幌市内に本部を置く福島連合は福島康正組長が総長になり、佐藤正和若頭が2代目を継承する。3代目弘道会で福島組長は舎弟頭を務めてきたが顧問に就き、10代目稲葉地一家の松山猛総裁が統括委員長からシフトする。稲葉地の先代・中村英昭総長は6代目山口組の高山清司若頭と5分の兄弟分で、組織としての評価も高いとされる。
この福島連合は今年、世間の耳目を集めた特殊詐欺「ルフィ」事件と絡んで名前が取り沙汰されたことがあった。
総裁ポストが用意された理由
福島組長と佐藤若頭が高山若頭に呼ばれ、ルフィ事件との関係性について聞かれる機会があったという。ただし、当然ながら両者とも事件との関係を全否定した模様だ、と竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」主宰)は語る。
「ルフィとの関連では、神戸山口組の井上邦雄組長(写真)との結びつきの方が強かったのでは」(同)
福島組長が引退せず総長ポストに就き、3代目弘道会内でも処遇される点については、さまざまに取り沙汰されているようだが、ここには合理的な判断が働いているのではというのが竹垣氏は解説する。つまり、親分が引退すると、どうしてもそれをきっかけに足を洗う者が一定数出ることになる、ただでさえヤクザが退潮傾向の中、それは避けたい、というのが高山若頭の考えではないか、という見立てである。
もう一つの人事情報としては、同じく3代目弘道会傘下・10代目常滑一家(本部:愛知県知多郡)の磯部伸治総長が予定通り引退することがわかった。
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