大谷翔平争奪戦 契約のカギを握るのは「あと何年、二刀流でいけるのか」問題
合意が長引く理由は複雑な契約条項
「もっともここに来て、大谷サイドに提示している契約の内容がそれぞれ複雑になっている可能性があります。どの球団も8年や10年といった長期を予定しており、見方を変えれば、現役生活を全うする球団を決める契約となります。大谷サイドも慎重にならなければなりません」(現地記者)
MLBネットワーク、MLB.comなどによれば、最長「10年総額6億ドル(約900億円)」もあり得るとのこと。10年後といえば、大谷は39歳になっている。今オフに契約を結ぶ球団が“最後”となるかもしれない。その影響だろう。2度目にメスを入れた右肘のリハビリについて、こんな懸念材料も囁かれていた。
「前回18年の手術後、翌年は打者に専念して106試合に出場しましたが、20年に予定されていた投手復帰には失敗し、21年まで持ち越しとなりました。今回も投手復帰、つまり二刀流の復活まで相当の時間を要すると言われています。そうなると、来年はもちろん、再来年もDHに専念するかもしれません」(前出・同)
そうなれば、6億ドルの総年俸を10年で均等割りすることに異論が出る可能性もある。来シーズンは投手復帰に向けたリハビリのサポートも必須で、その内容は大谷サイドも詳しく聞きたいはずだ。大谷には厳しい言い方になるが、前回の手術同様、投手復帰に2年掛かるとすれば、その時は32歳。「あと何年、二刀流を続けられるのか」という“年齢”との戦いも始まる。
こうした状況も加味すると、交渉の内容は実に多岐に渡る。球団サイドにとっても「DH専念の24年」、「投手復帰が確実とは言えない25年」を「26年以降」と同じように扱うにはリスクがある。こんな指摘も聞かれた。
「26年、32歳で二刀流が完全復活しても、故障する前の今季前半のように、中5日や6日で先発登板し、登板した翌日もDHとしてフル出場することができるかどうか。エンゼルス在籍中も指摘されましたが、二刀流の大谷の登板間隔は一定ではないので、他の先発投手陣にも影響を及ぼす可能性もあります」(前出・同)
大谷は二刀流での出場に強いこだわりを持っている。投手としての登板間隔についても細かく話し合わなければならないことも多い。
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