起訴内容を認めた「頂き女子りりちゃん」に“パイセン”がいた? 「伝説の頂き女子」が語った「男から3億円を巻き上げる」テクニック

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「俺に何かできることは?」

「手口は基本、“りりちゃん”がマニュアルで『病み営業』と呼んでいたものと同じです。一言でいえば、とにかく自分の“窮状”を打ち明け、客に相談する――。最初、客として出会った時だけ“関係”を持ちますが、以降、裏引きのターゲットに定めた相手とは“男女の関係”にはならないと言っていました。代わりに『奨学金の返済が大変で生活できない』『学費が払えなくて大学を辞めざるを得ない』『折り合いの悪い親元を出て自分の人生を生きたいけど、引っ越し資金がない』などと“お金や身寄りのない女子大生”を演じ、客と店の人間という関係を曖昧にしていくそうです」(鈴木氏)

 当時、30代だったにもかかわらず「女子大生」と偽っていた期間もあるというが、童顔のためか「疑われることはなかった」とも。とはいえ、そんな“泣き落とし”で男がやすやすとカネを出すとは信じがたいが、その点についてはこう話したという。

「彼女は第一印象でお金を“出す、出さない”“いくらまで出せる”人間かが大体わかると言ってました。事実、取材は喫茶店で行ったのですが、周囲を見渡して『あの人は200万円以上』『あの人は出さないタイプ』などと即座に店内の男性を値踏みしていた。彼女によれば、重要なのは決して自分から『援助して』などと口にしないこと。困っている現状を話しながら、ほかに頼れる人がいないことをほのめかし、時間をかけてでも男性側から『俺に助けられることはある?』と言わせるのが成否のポイントだそうです」(鈴木氏)

“守ってあげたい”スイッチ

 パッと見の印象や会話などからターゲットになりやすい「生真面目」「気弱」「女性経験の有無」などの“チェック項目”を慎重に確認していくそうだが、仮にそれらに当てはまったとしても、実際にお金を出してくれるとは限らないという。

「朱美さんが“極意”に挙げたのが、『少なくない男性のなかには“女子を守りたい”スイッチのようなものがあって、それをうまく探し当てて押してあげれば、あとは驚くほどカンタンに向こうからお金を出してくれる』というものでした。でも、そうやって援助してもらったカネを彼女もすべてホストに注ぎ込み、単に巨額のお金が右から左に通過しただけ。『全部シャンパンタワーで溶けちゃったんだけどね』と呟いた時の遠い目は、渡辺被告の心象風景にも通じる“虚無”を感じました」(鈴木氏)

「実刑は免れない」と見られている渡辺被告に対し、被害者たちはいま何を思うのか。

デイリー新潮編集部

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