カナダに”亡命”した周庭さん 中共の洗脳教育をくぐり抜けても、今後も微妙な状況が続く事情

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 TBS NEWS DIGは12月4日、「香港の民主活動家 周庭さん『世界で香港に関心を』 カナダに事実上亡命」の記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。周庭さんは1996年生まれの27歳。2014年の香港反政府デモ「雨傘運動」や19年のデモで闘う彼女の姿は象徴的な存在として日本のメディアも大きく報じた。

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 周さんがカナダに留学したのは今年9月。しばらくは沈黙を貫いていたが、「一生、香港には戻らない」ことを決心したとの声明を発表した。現在はトロントの大学に通っているという。事実上の亡命宣言だ。

 TBSは映像でもニュースを配信。インタビューに応じた周さんが流暢な日本語を使い、近況を語る様子も伝えた。産経新聞の香港支局長を務め、中国の政治経済に精通するジャーナリストの福島香織氏は、「私も周さんにインタビューを申し込みました。世界中から取材依頼が殺到しているそうです」と言う。

「ウクライナやガザ地区など、近年は戦争の暗いニュースばかりでした。そんな中、まずは朗報がもたらされたことを心から嬉しく思いました。2014年に雨傘運動が始まった時、彼女は17歳の少女でした。19年には最初の逮捕が行われ、20年には有罪が確定して収監されました。波瀾万丈の人生を辿った周さんが、とりあえず自由を取り戻し、勉強に専念できる環境を手に入れたということを何よりも祝福したいです」

深センでの「愛国教育」

 周さんが亡命を決心した背景には、中国当局の“圧力”があったと見られる。その苦労は並大抵のものではなかったようだ。

「裁判では全面的に罪を認めました。収監中には励ましのクリスマスカードを送る支援運動が行われましたが、周さんは政治的な発言を全く行わないことで中国当局に反省の意を示すことを選んだのです。模範囚として刑期が短縮され、21年に出所しましたが、当局がパスポートを差し押さえるなど、自由に生活できる環境ではなかったようです。悩み抜いた彼女は、カナダへの留学を決断し、香港政府に申請しました」(同・福島氏)

 当局の態度は厳しかった。「今後は一切、政治運動に関与しない」といった誓約書を提出させたほか、中国本土の深センで“愛国教育”を受けさせた可能性があるという。

「周さんにどのようなプログラムが実施されたかは、私がインタビューしたいポイントの一つです。そのため一般的なケースについて説明しますが、中国共産党の“偉大な業績”などを学ばされ、レポートの提出などを求められます。中国が発展しているのは共産党のおかげであり、だからこそ崇拝しなければならないと誓わされるわけです。実質的な洗脳と言っても過言ではありません。彼女にとっては屈辱的な日々だったのではないかと想像していますし、心身共に傷ついたのではないでしょうか。だからこそ彼女が経験を語ってくれれば、貴重な証言になるのは間違いないでしょう」(同・福島氏)

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