紅白に「K-POP」6組出場で「ネトウヨ」のデモはあるか? ネット編集者が「多分ない」と考える理由は“2011年”と2023年の違い
今年は6組
基本的な主張は「我々はK-POPなんて聞きたくない!」「フジテレビは偏向報道をやめろ!」「フジテレビと番組スポンサーは同罪だ!」「我々はフジテレビスポンサーの不買運動を継続するぞ!」「フジテレビは日の丸・君が代をカットするな!」などである。放送法違反である、と主張するものもあったが、多くは「ボク達は日本人が出る番組が見たいの!」というもの。デモをするよりも、視聴者センター案件である。
元々テレビは広告費の低迷や制作費カットにより、安くオンエアできるコンテンツを探しており、そこに韓国ドラマはピタリとハマったのだ。しかも、韓国ドラマの放送を開始したのは、愛国者の皆様も大好きなテレビ東京系のテレビ九州だし、その後、テレビ東京も日本テレビも韓国コンテンツは多数流している。その点、フジテレビは目立ち過ぎた、いや、むしろフジテレビをターゲットにしたため、あそこまでの規模のデモが発生したのだろう。
さて、今年の紅白では6組の韓国発グループが参加することになった。デモが発生した2011年の2倍で、当然あの時の彼らはデモを仕掛けるのではないか……と思うのだが、デモというものは空気感が盛り上がっている時にこそ効果を発揮するし、NHKに対する抗議電話も誘発することができる。そして、事実、2012年末の紅白ではこのデモの効果もあったのだろう。韓国のグループ・歌手は一組も出場しなかった。
日本を完全に敵扱い
だが、今現在の日本は「反韓」を熱心にやるような空気感になっていない。まずはガソリンや食料品をはじめとした物価高はあるし、未だに感染症を恐れる人もおり、集合を恐れる人も一定数は存在する。さらには増税や社会保険料の増加もあり、とてもじゃないが2011年のように反韓活動、そして大晦日のデモにうつつを抜かしている場合ではない。
この状況は、2020年からの新型コロナで「それどころではない」状態がもたらされたほか、2022年5月の尹錫悦大統領の就任も影響しているだろう。同氏は日本に歩み寄る姿勢を見せ、従軍慰安婦問題、徴用工問題でも日本側の主張に理解を示す。さらには中国が「核汚染水」と言い張る福島第一原発の処理水問題についても、文在寅政権とは異なり、日本の安全基準に同意する考えを示している。
これまで反日大統領が連続し、国内事情が悪くなったら切り札となる「反日カード」を切り、政権への不満をそらす作戦を繰り返した韓国。廬武鉉、李明博、朴槿恵、文在寅と続いたが、その間に「反日世論を扇動する廬武鉉ポピュリズム」「李明博が竹島電撃訪問」「朴槿恵『加害者と被害者の立場は千年経っても変わらない』発言・『告げ口外交』」「文在寅、『日本は謙虚に』『強制動員の苦痛は続いている』発言」などが取り沙汰された。特に文氏の場合は、北朝鮮との南北統一が目標だっただけに、日本を完全に敵扱い。安倍晋三元首相とは目も合わさない場面もあった。
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