清和会の議員が“裏金処理”を告白 パー券収入過少記載問題、特捜部が注目する“ノルマ番付”議員の名前は?
1千万円のノルマを課されている議員も
では、他派閥についてはどうか。宏池会所属のさる議員はこう打ち明ける。
「以前、派閥の事務局にノルマ超過分の売り上げはどうなるのかと聞いたら、その分はバックすると説明を受けました。ですが実際、私がノルマを超えて販売した際には、年末の餅代と一緒に上乗せがあったものの、返金額は二束三文。ノルマ超過分にはかなり足りなかったと記憶しています」
前出の政治部デスクが言う。
「宏池会の場合、若手のノルマは100万円。中堅は200万円で、閣僚経験者になると400万円に跳ね上がります。また、抜群の集金力を誇る二階派の武田良太元総務相(55)は1千万円のノルマを課せられていると耳にしたことがあります」
政治資金問題に詳しい岩井奉信・日本大学名誉教授は、
「今回明るみに出た不記載は氷山の一角です。なぜなら企業や個人の場合、そもそもパー券の支出を報告する義務がない。派閥サイドが収入として記載しなければ、第三者には知りようがないのです。支出の報告義務がある政治団体に限ってもこれだけの額の不記載があったわけですから、報告義務のない企業や個人によるパー券収入の不記載額が巨額に上るであろうことは、容易に想像がつきます」
問題の根深さをそう指摘するのである。
先の社会部記者が言う。
「特捜も年内は、江東区長選で柿沢未途前法務副大臣(52)が地元区議らを買収したとされる、公職選挙法違反事件で手一杯でしょう。パー券収入過少記載問題への本格着手は、年明け以降とみられています」
ポスト岸田を見据えた動きが
そんな東京地検の動きに呼応するかのように、ポスト岸田を見据えた動きも起きている。11月15日、高市早苗経済安全保障相(62)が外交や安全保障などをテーマにする勉強会を発足。また22日には小泉進次郎元環境相(42)が、一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を送迎するライドシェアに関する勉強会を立ち上げたのである。
「高市大臣の勉強会が来年秋に行われる総裁選の足掛かりの場であるのは明白ですが、進次郎の勉強会の背後にもライドシェア導入が持論の菅義偉前総理(75)の影がちらつく。その菅前総理は周囲に“岸田総理は解散なんかできっこない”と語っており、ポスト岸田に向けた動きを水面下で加速させています」(前出・政治部デスク)
政治ジャーナリストの青山和弘氏は、
「内閣支持率が著しく低く、解散を打てるような状況にはないというのが一般的な見方です」
こう述べながら、一方で、
「パー券収入の問題がハジけると、それこそリクルート事件のような党を揺るがす大問題に発展する可能性もある。捜査が本格化する前に解散を打った方がマシではないかという声が、自民党の一部から上がっています」
“岸田おろし”の暴風が吹き荒れそうな気配もあり、追い込まれた岸田総理が、伝家の宝刀を抜かないとも限らないというのだ。