「全て嫌になった」と言い出した妻、そして突然消えた不倫相手…「結婚と恋愛は別」と言って結婚した42歳夫の苦悩
前編【複数の人妻と交際しつつ、妻とは手も握らずのデート5回で結婚…42歳男性の10年後に崩れた目論見】からのつづき
結婚の目的は子どもをもつことで、恋愛とは別……そんな考えの高木知久さん(42歳・仮名=以下同)は、10年前に3歳年下の祐貴子さんと「手ひとつ握らずに」交際半年で結婚した。付き合っていた複数の人妻たちは、4歳年上の「奈那さん」だけに整理し結婚生活を始めたものの、避妊していたはずが娘ができ、仕事を続けるはずだった祐貴子さんは退職と、目算は次々と外れていく。給料をあげるため、外資系の会社に転職すると同時に会社を立ち上げた知久さんは、同僚の“血の繋がらない”妹でバーを経営する春佳さんと今から4年前に知り合い、惹かれていった。
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女性とは一定の距離を置いてつきあう。だから複数の女性がいてもバレない。それが知久さんの「自らに課した掟」だった。結婚後は奈那さんひとりにしていたし、妻にバレるようなことはなかった。
「それまでの僕の女性との関係は、恋愛というものではなかったんでしょうね。そのときどきのニーズに合わせて女性たちに心の穴を埋めてもらうようなものだったのかもしれない。ただ、春佳とは違っていた。同僚には黙って、春佳をデートに誘ったら『いいんですか、私なんかと』と言ったんですよ。もう、それで泣きそうになりました。こっちは妻帯者ですから引け目があるのに、春佳はへりくだってくれる」
ふたりで食事をしたときも、彼は彼女の気配りと優しさに心を慰められた。今日はプライベートなんだから、あなたが僕に気を遣う必要はないと言って、彼は料理を取り分けた。
「ありがとうございます、こんなに優しくしてもらったのは初めてと春佳は晴れやかな笑みを浮かべました。お世辞とは思えなかった。彼女によれば、僕の同僚の父親と彼女の母親は連れ子同士の再婚だったそうです。ところが数年たっても彼女は父親になじめず、結局、ふたりは離婚した。でも『兄は私によくしてくれました。だから本当の兄だと思って、いろいろ相談しているんです』ということでした。そのバーを経営するにあたっても、兄にも借金してますと。血がつながらなくてもいい兄妹なんだねと羨ましく思ったのを覚えています」
結婚外の恋愛を堪能
知久さんはそれ以降、全力で春佳さんを口説いた。生まれて初めて、この人と一緒にいたい、この人から愛されたいと願ったそうだ。
「そこまで言ってくれるならと彼女がすべてを委ねてくれたのは半年後でした。ただ、『兄には絶対内緒にしてください』とも言っていた。僕もそのほうがありがたかった。自分をずるいと思いながらも、結婚外の恋愛を堪能しました。それまで会っていた奈那ともあまり会わなくなった。奈那は文句は言わなかったけど、『最近、忙しいの?』と探りは入れてきました。だから『子どもももうじき小学校だし、もう少し子どもとの時間をとりたいんだ』と嘘をつくと、奈那は首をすくめて笑っていた。見抜かれていたのかもしれません」
知久さんは春佳さんにどっぷりはまった。店に行くこともあれば、春佳さんのワンルームのマンションに行くこともあった。妻には、仕事が遅くなって終電に間に合わないから、どこかのホテルに泊まると連絡して、春佳さんのところに泊まったりもした。
「仕事の話をすると春佳は目を輝かせて『知久さんって本当にすごい』と尊敬のまなざしで見てくれる。あんな目で見てくれた女性は過去にいませんでしたから、僕も有頂天になってしまいました」
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