複数の人妻と交際しつつ、妻とは手も握らずのデート5回で結婚…42歳男性の10年後に崩れた目論見

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 セックスレスが問題として浮上してから久しい。それでもいまだにレスがドラマになって話題となるなど、「夫婦関係とレス問題」は人の耳目を集めている。

「結婚の目的は子どもをもつことだと僕は思っていました。だから結婚と恋愛は別だし、結婚したあとに恋愛する可能性もある。それはお互いにあり得る。ただ子どもに罪はないのだから成人するまでは離婚しない。結婚するときそう言ったら、妻が『私もまったく同じ考えだ』と共感してくれたんですよ」

 持論を展開するのは、高木知久さん(42歳・仮名=以下同)だ。10年前、友人主催の食事会で知り合った3歳年下の祐貴子さんと、交際半年でスピード婚をした。結婚に際しての条件は上記のとおりで、大前提として「お互いの自主性を尊重する」と伝えた。

「文字にするときっと堅苦しいと思うんですけど、結婚してもそれぞれ独自の人生を歩もう、それを侵蝕する権利はない、ただし子どものことに関してはお互いに精一杯努力するということなんです。妻は結婚後も仕事を続ける予定だと言っていたし、子どもをもうける時期も話し合って決めていくはずだった」

結婚を機に「人妻」をひとりに絞る

 交際半年とはいえ、デートは5回ほどだった。会って2回目で結婚を申し込み、3回目で返事をもらい、あとの2回は今後のことを話し合っただけ。手ひとつ握らないまま結婚式を挙げた。

「当時、つきあっている人妻が数人いたんです。結婚にあたって人数を減らしたほうがいいと思い、いちばん気も体も合った奈那という4歳年上の人に絞りました。奈那に結婚すると告げたら、『おめでとう。これでやっと対等になれたね』って。僕もそう思っていた。奈那は結婚生活も楽しいといつも言っていたから、僕も妻とは仲良くやっていくつもりでしたよ」

 もともと自分のパートナーをひとりに絞るつもりがない人たちは一定数いる。他の人とつきあっても良心の呵責を感じることもない。結婚するにはAさん、つきあうにはBさんと自分のニーズに合った「適材適所」のパートナーを作っている。1対1でつきあわなければいけないとは思わないが、結婚してもそれが続くとバレたときに揉めるだろうという予測はつく。

「子どもは2年後くらいにと話していたので、初夜も僕は避妊したつもりでした。ところがなんとできてしまった。いまだに僕は、妻が避妊具に穴を開けたのではないかと疑っているんですが……」

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