柔道グランドスラム 阿部一二三・詩兄妹に死角はあるのか

スポーツ

  • ブックマーク

パリ内定組も多く出場

 パリ五輪に内定していた10人の選手の多くは、怪我などを恐れて今大会には出場しないだろうと予想したが、意外にも7人が登場した。その背景についてある全日本柔道連盟の関係者は、「テレビ東京が日曜のゴールデンタイムに放映するため、連盟から出場要請があったはずです」と打ち明けた。大会は2日間あり、柔道ファン以外にも名の知られた選手の多くが2日目に集められていた。

 大会放映権料は国際柔道連盟にとって最大の資金源である。

 資金難から今後の存続も危ぶまれるグランドスラム大会。とりあえず今大会では、永山のほか女子63キロ級の高市未来(29=小松製作所)、78キロ級の高山莉加(29=三井住友海上)の2人が新たにパリ五輪の代表に内定した。これで男女全14階級のうちパリ五輪の代表が未定なのは、東京五輪金メダリストのウルフ・アロン(27=パーク24)が準々決勝で敗れて混戦に陥った男子100キロ級だけになった。
(敬称略)

粟野仁雄(あわの・まさお)
ジャーナリスト。1956年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部を卒業。2001年まで共同通信記者。著書に「サハリンに残されて」(三一書房)、「警察の犯罪――鹿児島県警・志布志事件」(ワック)、「検察に、殺される」(ベスト新書)、「ルポ 原発難民」(潮出版社)、「アスベスト禍」(集英社新書)など。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。