「チバユウスケさん」死去に「FC東京」「スラムダンク」も追悼メッセージ…「t.A.T.u.ドタキャン事件」でタモリまで熱狂させた“稀代のロックスター”

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「オレたちが日本のザ・ミッシェル・ガン・エレファントだ!」

 チバさん、ミッシェル・ガン・エレファント、世界の終わり、The Birthday、アベフトシ、ROSSO、バードメン――。

 あまりにも突然の訃報を受け、X(旧Twitter)のトレンドは一時、55歳で旅立った“ロックスター”の関連ワードで埋め尽くされた。“チバさん”とは「ミッシェル・ガン・エレファント」や「The Birthday」といったバンドで唯一無二のボーカルを響かせ、90年代以降の日本のロック界を牽引し続けた、ミュージシャン・チバユウスケさんのことである。チバさんは今年4月に食道がんであることを公表し、休養していた。

 老若男女、誰もが知るアーティストではなかったかもしれない。しかし、1998年に豊洲で開催された「フジロック」にミッシェル・ガン・エレファントが出演した際には、会場に押し寄せた観客の興奮が頂点に達し、運営側がたびたび演奏を中断させ、冷静になるよう呼び掛けるほどだった。海外から数多くの有名アーティストが参加するなか、この日、チバさんが叫んだ「オレたちが日本のザ・ミッシェル・ガン・エレファントだ!」はいまも語り草となっている。

<勝ちに行けチバユウスケ>

 そんなレジェンドの訃報にいち早く反応し、公式Xで<チバユウスケさんのご冥福を心よりお祈りします>と投稿したのはFC東京だった。チバさんは熱心なFC東京のサポーターとして知られ、非公式応援歌「VAMOS TOKYO!」をリリースしたこともある。FC東京の追悼メッセージには、<勝ちに行けチバユウスケ><VAMOSチバユウスケ>と書かれた横断幕の写真も添えられていた。

 また、チバさんがミッシェル・ガン・エレファント解散後に結成したThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」は、大ヒットを記録した映画「THE FIRST SLAM DUNK」のオープニング主題歌として人気を博した。同映画の公式Xも<チバユウスケさんのことを伺いただ驚き、言葉を失っております。チバユウスケさんのご冥福をお祈りします>とのメッセージを寄せている。さらに、原作漫画の著者で、映画の監督・脚本を務めた井上雄彦氏も、公式Xで<ただ感謝と、寂しさが溢れてきます>と綴った。

 多方面から絶大な支持を集める一方で、テレビ出演など派手なメディア露出は少なかったチバさん。そんな彼とバンドの知名度を一気に跳ね上げ、ロック好き以外の視聴者にも強烈な印象を刻み込んだのは、意外にも、テレビ朝日の老舗音楽番組「ミュージックステーション」だった。

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