前原新党は結局カネ目当て、再び小池百合子都知事と一緒になる可能性も…前原誠司はなぜこんなに浅はかなのか
前原氏と枝野氏の共通点
これが「排除の論理」として流行語になったが、小池氏に対する反発の声は多かった。結局、合流は空中分解してしまう。枝野幸男氏(59)が立憲民主党を結党し、この時だけは世論も無条件で応援した。前原氏は衆院選を無所属で立候補し、当選は果たした。
「前原さんの判断ミスは、政局の一場面における失敗というレベルではありません。日本政治史という観点が必要なほどの悪影響を及ぼしました。何しろ前原さんのせいで野党は有権者の信頼を失い、今に至るまで低迷しているのです。にもかかわらず、今回も前原さんは国民民主党とケンカ別れをしました。最も喜んでいるのは自民党でしょう。彼は何度も与党を利する行動を繰り返しており、自民党にとっては本当に大切な政治家の一人だと思います」(同・伊藤氏)
前原氏と枝野氏は政治的には対立関係にあると言えるだろう。だが、2人には共通点が少なくない。例えば、前原氏は京都大学法学部を、枝野氏は東北大学法学部を卒業している。共に“学歴エリート”と言えるだろう。さらに、国会議員のキャリアも共に日本新党からスタートしている。
小池獲得競争
「私は民主党時代に二人を間近で見ましたが、どちらも理屈を喋らせたら一流です。共に偏差値の高さは明白ですが、理念で有権者の心を打つことは苦手です。要するに政治家としての発信力が低いわけです。とはいえ、そんな前原さんでも維新に移ったら、要職が用意されるなど手厚いもてなしを受けるのでしょう。ただし、その後はどうなるか分かりません。注目点の一つとして、前原さんが大阪に拠点を置く維新のコアなメンバーと意気投合できるかどうかが挙げられます。大阪と京都の物理的な距離が、そのまま政治的な距離に変わったとしても不思議はないのです」(同・伊藤氏)
前原氏の引き込みに成功した維新は、次のターゲットも決めているという。それは小池都知事であり、こちらには自民党も勧誘に熱心だという。
「有権者は与党にも野党にも絶望していますから、総選挙が行われても投票先がありません。次の衆院選で有権者は、いわゆる“寝る”状態になる可能性があります。低投票率になり、与党も野党も勝ちもしないし負けもしないという結果になるかもしれないわけです。となると、総選挙で勝つためには“起爆剤”が必要ということになります。それが小池さんというわけです」(同・伊藤氏)
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