裁判長に「あんた、生涯後悔するぞ!」から2年 工藤會2トップの控訴審に集まる業界の関心

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福岡拘置所へ面会に

 一般人をもターゲットにする凶悪さ、捜査当局との衝突も厭わぬ攻撃性などで工藤會は、ヤクザ業界の中でもかなり突出した存在である。ただ、工藤會は決して社会から孤立した存在というわけではなく、現在日本最大の組織である山口組と縁が深いことで知られている。

「その関係は今なお良好とされています。例えば細かな話ですが、九州に本部を置く6代目山口組の2次団体トップが、野村総裁のいる福岡拘置所へしばしば面会に行っていると聞きました」

 と、竹垣悟氏(NPO法人主宰で、元山口組系「義竜会」組長)。

「6代目山口組としても高山清司若頭が野村総裁に面会に出向き、話題となったこともありました。2021年のことですね」(同)

 かつて山口組は山一抗争(1984年~89年)と相前後し、道仁会(本部:福岡県久留米市)と抗争を展開したことがあった。通称「山道抗争」(1986年~87年)である。この時、山口組と道仁会との間で行われた手打ち式で仲裁人として名を連ねたのが、工藤會の工藤玄治会長だったとされる。

6代目山口組の通達の背景

 ただし、時代に対応して生き残りを図っている山口組からすれば、かつての友好団体はある意味で反面教師的な存在となっているとの見方もある。

 先述の2021年8月に野村総裁の死刑判決を受けて、6代目山口組は「公共の場で銃器の使用を禁じる」旨の通達を行ったとされる。

「殺害などの直接的な証拠がなくても、指揮命令系統などをベースに推認で死刑判決が出たことを6代目執行部が重く受け止めた結果でしょう。使用者責任を追及され、共謀共同正犯が成立すれば組織トップも訴追されますから、それを是が非でも回避したかったものと見られます」(同)

 控訴審判決は来年3月12日に言い渡される予定。判決内容、被告側の反応など業界が注目する点は多いという。

デイリー新潮編集部

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