裁判長に「あんた、生涯後悔するぞ!」から2年 工藤會2トップの控訴審に集まる業界の関心

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弁護団の電撃解任

 福岡高裁で続いていた5代目工藤會の野村悟総裁と田上文雄会長の控訴審は、11月29日の公判で結審した。これまでの主張をひるがえすことで野村総裁の死刑回避を狙う作戦を採った被告側にどんな判決が下るのか。友好関係にある山口組含め、業界の注目度は極めて高いようだ。

 まずは控訴審についてざっと振り返っておこう。

 工藤會トップの野村総裁、ナンバー2の田上会長は、市民への襲撃事件をめぐって、殺人や組織的な殺人未遂の罪などで、2021年8月にそれぞれ死刑、無期懲役の判決を受けた。野村総裁は死刑判決を受けた際、裁判長に向けて後に有名になるこんな台詞を発した。

「こんな裁判あるんか。あんた(裁判長のこと)、生涯このことを後悔するぞ!」

 それから1年が経過し、控訴趣意書の提出期限を前にして弁護団全員の電撃解任に踏み切るという異例の展開をたどった。

判決は来年3月12日に

「死刑判決を受けた被告が死刑回避のためにありとあらゆる手段を講じようとするのはある意味で当然です。解任された弁護団は、野村総裁が納得できる死刑回避のためのロジックを提案できなかったと被告側は考えたということでしょう」

 と、担当記者。

 弁護団を解任して臨んだ今回、田上会長は方針転換し、一部の事件について独断で指示を下したと主張することとなった。

「2人は1998年の元漁協組合長射殺事件、2012年の元県警警部への銃撃事件、2013年の看護師刺傷事件、そして2014年の歯科医刺傷事件などに関与したとして起訴されていました。このうち田上会長は2審で主張をひるがえし、看護師と歯科医事件に関しては野村総裁に報告せず、自身の独断だとの主張を展開しました」(同)

 11月29日の公判で野村総裁の弁護側は、元漁協組合長が殺害された事件に関しては、「実行犯の個人的な犯行」と主張している。

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