「“田舎のヤンキー政党”が政権政党を目指す」 維新・藤田文武幹事長が語った「中期経営計画」

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「単独で政権政党を目指す」

 藤田氏は一昨年11月に幹事長に就任すると、政権奪取に向けたロードマップを公表。それが“中期経営計画”で、昨年の参議院選挙と今年の統一地方選挙を短期目標、次期総選挙を中期目標に据えている。

「昨夏の参院選では、改選6議席を12議席へと倍増させることができました。春の統一地方選でも目標の600人以上を大きく上回り、774人が議席を得られ、現在は800人を超える。来秋までには必ず解散・総選挙があるわけで、ここで野党第1党を獲得することが中期経営計画の最大の狙いです。今後、他の野党と手を組むことは考えておらず、単独で政権政党を目指す方針に変わりはありません」

 維新は憲法改正に積極的なほか、安全保障面でも現実的で実効性のある防衛体制の構築を訴えている。

「現行憲法は9条のほかにも時代に即した変更が必要で、われわれは教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置という3点を提起しています。また、日本は中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれています。抑止力については、タブーを排して厳しい国際社会の現実を直視しながら議論していく必要があります」

万博への批判に「国や地域にメリットが」

“敬天愛人”が座右の銘という藤田氏は、9月に自著『40代政党COO 日本大改革に挑む』(ワニブックス)を上梓したばかり。

「多くの人に“改革を訴える日本維新の会で政策の舵取りをしているのはこんな人”と知ってほしいと思ったんです。党の企業秘密を除いて僕がホンマに取り組んでいることの8割ほどを書きました」

 同書には政治に関する話にとどまらず、苦労を重ねた自身の半生もつづられている。ところで維新といえば、開催を主導する大阪・関西万博への批判が強まっている。

「メキシコなど2カ国が撤退しましたが、一方で新たに9カ国が参加を表明しています。費用が膨らんでいるのは事実ですが、国や地域には大きなメリットがあるんです。われわれはそれらについて、きちんと説明しないといけませんね」

 ベンチャー的挑戦は続く。

週刊新潮 2023年11月30日号掲載

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