1万円の「お子さまランチ」がバカ売れの理由とは? 松阪牛、黒トリュフなど高級食材を使用

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 いかに物価高の昨今とはいえ、お子さまランチが2人前で10800円!? 聞けばこれ、大人向けの商品で、目下バカ売れ中だとか。その名も「大人のお子さまランチセット」。発売したのは、かの三越伊勢丹だ。

「お子さまランチは『御子様洋食』として三越の食堂が売り出したのが発祥です。今年が創業350年にあたることを記念し、これを自宅でレンジにかけるだけで食べられるギフト商品にできないかと考えました」

 とはギフトデザイン営業部の担当バイヤー・伊田雅史氏。御子様洋食は、1930年に当時の食堂主任が子どもを喜ばせようと企画したもの。盛り付けたライスに旗を立てるおなじみの趣向もまた、主任が大の登山好きで「山頂といえば旗」という連想から始めたのだとか。

「毎日のように大人のお客さまから注文が

 今回の商品は松阪牛黒トリュフ焼ハンバーグにシーフードラタトゥイユなど、そこはそれ、大人の嗜好を満足させるべく食材も高級路線だが、ウケているのはどうしてか?

「日本橋三越本店の特別食堂で提供する『お子さまランチプレート』(2970円)は、実は毎日のように大人のお客さまから注文が入る商品なんです。少量多品目ゆえ、いろんな食材を少しずつ食べられる。そのため女性などを中心に人気が高く、メニューに“大人の方もお召し上がりいただけます”との注釈を添えています」(同)

 なるほど、人気には合理的な理由があるのだ。9月には同店の別のレストランが「大人様洋食」と銘打ってお子さまランチ風の食事を提供したところ、4180円のお値段ながら好評を博したそうである。

1万3千円のものも

 三越伊勢丹のお子さまランチギフトは計4種。中には京都の料亭「美濃吉」の「大人のお子さまランチ」(12960円)なるものもラインアップされている。うなぎご飯に車えびの旨煮やいくらなますといった和の一品が盛り込まれ、大いに食欲をそそるが、お子さまのテイストが少し弱いか。売れ行きでは洋食のほうが完売間近で大きくリードしているようだ。

 単品で通用するハンバーグやエビフライを、スープやデザート込みでセットにする発想は「これまでのギフトではなかった」(伊田氏)という。実際に食べた人からは「誰が旗を刺すかで盛り上がった」との声も寄せられ、三越伊勢丹は「大切なラインアップに育てたい」と鼻息も荒い。

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