「メーガン妃のチアリーダー」による“暴露本” 長男をめぐる「王室の人種差別的発言」騒動の再燃&延焼で完全消失した“落としどころ”

国際

  • ブックマーク

まったくわけがわからない「翻訳ミス」

 一方でスコビー氏は、実名が記載されたオランダ語版について自身の責を全面否定。英語で書かれた元原稿に2人の名前は書かれていないと述べた。オランダの出版社は「翻訳ミス」とした上で、12月8日に修正版が書店に並ぶと告知している。

 とはいえ、原稿にない名前を翻訳するという「翻訳ミス」などこの世に存在するのか。「まったくわけがわからない」と世間の心情を代弁したのは、王室記者で作家のフィル・ダンピア氏だ。ダンピア氏は英紙「デイリー・メール」の電子版「メール・オンライン」に対し、「スコビー氏は自分の本の宣伝に長けているから、おそらく今回の論争もその一環だ」と語った。

 王室評論家のリチャード・フィッツウィリアムズ氏も、「ヘンリー王子が人種差別の訴えを無意識の偏見の告発に差し替えたにもかかわらず、名前を公表できる状況ならスコビー氏はそうするであろうことを示唆している。それはまた、彼がチャールズとメーガンの手紙を見たことと、それを彼に見せることができたのはヘンリー王子夫妻だけということも意味している」と、ヘンリー王子夫妻からスコビー氏への“情報提供”疑惑に触れた。

 この疑惑こそモーガン氏が主張する「ヘンリー王子夫妻とスコビー氏によって『布陣』された『暗黙の脅威』」の具体例といえる。だが、それを打ち破る目的で行ったモーガン氏の実名公表も、満場一致で支持されているわけではない。

 近頃のヘンリー王子夫妻は、チャールズ国王に誕生日祝いの電話をかけた件や、英国でクリスマスを過ごす可能性が報じられているが、そんな雪解けムードも『Endgame』で落としどころが見えなくなってしまった。英王室がリアクションを示す可能性は薄いと見る向きもあり、一部の王室専門家は「ヘンリー王子夫妻による『Endgame』の否定」を唯一の “突破口”として挙げている。

「放置すれば夫妻が内容を認めたことになる」という声は出版前から存在していたが、果たしてメーガン妃はスコビー氏を“切る”ことができるのか。「できるはずがない」という世間の見方をひっくり返し、スコビー氏の「私はメーガン妃の友人ではない」という主張を代わりに実証すれば、低迷している支持率も奇跡の復活を遂げるかもしれない。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。