「暇空茜」にNHKの取材メモを流出させた犯人は子会社の30代派遣「テロップ係」だった 「年間100人くらい辞める、終わっている会社なので」
印刷した日時・時刻をマスキング
犯人はテロップを制作するスタッフで、子会社が契約している派遣職員だった。「興味本位でやった。大変なことをしてしまい申し訳ない」と話しているという。
「専用端末に保存されている資料を印刷すると、右上部分に印刷した日付・時刻が印字されます。派遣スタッフはその部分だけマスキングして暇空氏に送っていた。ただ、この取材資料にアクセスする人間なんて限られているし、多くてもせいぜい十数人。不祥事対応をする専門部署のリスクマネジメント室がアクセスした人物を徹底調査し、犯人を絞り込んでいくとあっさり認めたようです。女性だったと聞いていますが、暇空氏のファンだったのでしょうか」
あるベテラン記者は「この会社がもはや終わっていることを示す象徴的な不祥事です」と嘆く。最近はあらゆる職種で、しかも全世代にまたがって職員の退職が相次いでいるという。
「昨年は全職種で100人くらい、記者だけで30人以上辞めた。みんなモチベーションが続かないんです。例えば、うちはネットの記事配信にこの数年力を入れてきましたが、民業圧迫との批判を受け、近くすべて廃止になる。NHK NEWS WEBというサイトなんて月間で4億PVも取れる日本最大のウェブメディアにまで育ったのにです。せっかくこれからはデジタルだって頑張っていたのに、ふざけんなって気持ちになるでしょう。会長が変わるごとに、やれ人事制度改革だ、やっぱ元に戻そうとか、そんなんばっかり。人手が足りないから泊まり勤務が増える、何もしない給料の高い爺さんたちに腹が立つ、彼らが上につかえているから出世もできない、給料も一向に上がらない。辞めたくなる理由しかありません」
9月に記者の「不正経費請求」が発覚したばかりだった
今回の不祥事で「再発防止策」として上からまたあれこれ言われるのを考えるのも「ダルい」と続ける。
「派遣スタッフさんにアクセス権限を制限することになれば、これまでみたいに『専用端末見ておいてください』といかなくなるわけでしょう。いちいち個別にメールしなければいけなくなったり、それだって『必ずパスワードをかけろ』とか言われるんでしょうね」(同前)
9月には社会部記者による不正経費請求が発覚したばかりだ。11月2日、当該記者は懲戒免職になった。これまでの調査で、彼が取材と称して経費申請した私的な飲食費は計12件、約34万円と発表されたが、一説には「年間300万円の飲食費を請求していた」と言われている。
「まだ第三者委員会の調査が継続中ですが、11月末に送られてきた約6000人の職員を対象にしたアンケート調査はひどかった。『あなたは経費で不正をしたことがありますか』と聞かれ、はい、いいえで答えろって言うんですが、『はい』と答える人がいるわけないじゃないですか。『見たり、聞いたりしたことがありますか』という問いもあって『はい』と答えると具体的に書くよう促される。みんなで『デイリー新潮に書いてあったもう1人いる疑惑の女性記者の名前を書くか』って言い合っていますよ」
泥船と化した公共放送はどこへ向かっていくのか…。
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