梅毒まん延、パパ活詐欺の背景に「悪質ホスト」が 専門家は「立ちんぼの8割はホストに貢ぐことが目的」
梅毒急増との関係
なんとも恐ろしい悪質ホストの実態だが、被害者は女性だけにあらず。奴らは梅毒をまん延させる遠因にもなっている。近年、日本は梅毒患者が急増しており、2010年から22年の間に17倍に膨れ、1万人を突破した。その3分の1は東京に集中しており、感染対策などの公衆衛生をおろそかにしがちな立ちんぼは、まさにリスクの温床だ。
玄氏は「歌舞伎町の立ちんぼの約8割が、ホストに貢ぐことが目的の女の子」だと指摘している。そう考えていくと、ホストと梅毒のまん延はやはり相関性があるといえるだろう。
悪質ホスト問題の相談を受けている安井飛鳥弁護士によれば、
「売り掛けとは大まかに言えば代金の貸し借りです。さまざまな業種で行われており法的な規制は難しい。ただし、悪質ホスト問題には喫緊で対応策が求められています。現実的には例えば、消費者契約法上のデート商法の被害者救済規定等の拡充があり得るかもしれません。客側にもホスト依存から脱したいという意識が必要ですが、これなら現行法で“弱みに付け込んだ貸し付けは無効だ”と売掛金をナシにできる場合もあるでしょう」
被害女性たちは売掛金を払うため、立ちんぼとなり梅毒をまき散らし、詐欺マニュアルを使って男性から金を巻き上げ、追い詰められた果てに傷害事件を起こす――。“諸悪の根源”悪質ホストにメスを入れることはできるか。
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