梅毒まん延、パパ活詐欺の背景に「悪質ホスト」が 専門家は「立ちんぼの8割はホストに貢ぐことが目的」
ホストが標的にするのは…
なぜ、女性たちは沼にはまってしまうのか。歌舞伎町に事務所を構える公益社団法人「日本駆け込み寺」の理事で、悪質ホスト問題の相談を受けるため7月に発足した「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」で代表を務める玄秀盛氏はこう語る。
「ホストが標的にするのは社交性に乏しく友達が少なかったり、メンタルが弱くて不安定だったりする女の子たち。狙いを定めたら枕営業も駆使して、ガッと恋愛感情を抱かせる。そして、何回目かの来店で勝負をかけます。誕生日などのイベントを口実に酔わせてあおって、1本30万円もするような高額なボトルを開けさせるのです」
大部分が“悪質”
一度成功したならば、後はしめたもの。以降、ホストは何度も高額なボトルを開けさせ、女性を売掛金まみれに陥れていく。
「ホストは売掛金を負わせる際、“立て替えている俺は君を守ってあげたんだ”と錯覚させます。だから、女の子は“彼氏”のために頑張ろうと勘違いして、体を売るようになるのです。このようなマインドコントロールの手法にはマニュアルがあり、組織によってはホストにセミナーまで受けさせ、女の子を食い物にしています」(同)
かつてはホストクラブといえば、金と暇を持て余した有閑マダムが男を侍らせる、雅なサロンのようなイメージだったが……。
「現在、歌舞伎町にはホストクラブが300軒以上あるとされています。しかし、まともな店舗はほとんどない。昔と違ってホストの大部分が“悪質”だといえるでしょう。青母連を立ち上げて以降、相談は急増しており、今は1日20件ほど寄せられています」(同)
玄氏は今、現実的な対応策としてまずは売掛金を規制するべく署名活動をし、新宿区や政府と掛け合っている最中だという。
それが功を奏してか11月16日、ようやく警察庁の露木康浩長官が悪質ホストへの取り締まりを強化する考えを示した。翌17日にも、新宿区の吉住健一区長がホストクラブに売り掛けの自粛を要請したが、いずれの実効性も未知数だ。
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