【うちの弁護士は手がかかる】平手友梨奈にとってハマり役になった理由 「前事務所が過保護だったので損をした面がある」

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ムロの温かみのある演技と絶妙の受け芝居が背骨

 24日放送の7回で天野は初めて蔵前に謝った。口論をしていた蔵前に対し、軽い気持ちで「あなたの代わりはいくらでもいますから」と言ってしまい、傷つけたからだ。

 蔵前には、前職で育てた俳優の笠原からクビを宣告された際、「あなたの仕事は誰がやっても変わらない」と言われて絶望した過去がある。このドラマを読み解くポイントの1つである。陰で支えてくれている人に対し、「誰でも出来る仕事」などと言うものではない。

 7回のラストで笠原は蔵前に対し「やっぱり私にはあなたが必要なの。戻って来てほしい」と頼んだが、帰らないだろう。謝罪した天野と打算で自分の手元に戻そうとする笠原は根本から違う。なにより、蔵前は天野を育てることに喜びを感じ始めている。

 ムロと平手のダブル主演ドラマのようにも思えるが、そう謳わずに良かったのではないか。そのほうが若手の平手はのびのび演じられる。

 なにより、この作品はムロの温かみのある演技と絶妙の受け芝居が背骨になっている。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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