サッカー日本代表、なぜ相手が弱いとケガ人が増える? 「選手たちはうそをついているわけではない」

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 サッカーW杯アジア2次予選が始まり、われらが森保ジャパンは初陣のミャンマー戦を5-0で圧勝した。

 ただ、試合前後に負傷離脱者が続出したのが気がかりである。古橋亨梧、前田大然、伊藤敦樹、川辺駿が招集辞退。招集後も三笘薫が負傷で離脱。おまけに、ミャンマー戦でゴールを決めた鎌田大地までもが腰痛のため試合途中で退いた。

 そのため「弱小国相手にフルメンバーを招集する必要はない」「海外組は過酷なので休ませて」「国内組や若手で十分だろう」といった意見が相次いだのだが、

「サッカー選手たる者、誰しも大なり小なり故障を抱えてプレーしています」

 と語るスポーツ紙記者によると、

「常に無理してプレーしている一方で、無理しなくていい試合は”ケガ””コンディション不良”といって休むだけ。うそをついているわけではないし、選手たちはうまくやっているので心配には及びません」

 なるほど、大事な試合は故障者が減り、今回のような弱小国相手ではけが人だらけになるわけである。

 オーバースペックの海外組をピッチに立たせるのも、

「欧州クラブに所属する彼らを強制的に招集できる期間は限られるため。所属と異なるポジションを任せられる選手もいるので、練習として貴重な場なのです」

胸を貸す番

 そもそも強豪国と弱小国が対戦する2次予選は大差のつく試合が多い。ミャンマー戦と同じ日、オーストラリアはバングラデシュを7-0、韓国はシンガポールを5-0、カタールはアフガニスタンを8-1で下した。そのため「強豪国をシード扱いしては?」との意見もある。だがそれも、

「日本がアルゼンチンやブラジルとやりたいのと同様、アジアの弱小国は日本と戦ってチーム力を上げたいのです。日本はカネの力で強豪国を呼べますが、ミャンマーなどはそれも無理なので、2次予選しかチャンスはない。そういう国が数の上で多くを占めるので、シードは実現しないでしょう」

 昔は日本も弱く、ミャンマーにすら負けていた。胸を貸す番が回ってきたのだ。

 最後に、森保ジャパンは過酷な状況にあるのかだが、

「やはりミャンマー戦と同じ日、地球の裏側で行われた南米予選で、メッシ率いるアルゼンチンがウルグアイに苦杯。ブラジルもコロンビアに敗れました。強豪国ぞろいで予選から気が抜けない南米諸国の代表と比べたら甘いですよ」

 恵まれし者のぜいたくな悩み。

週刊新潮 2023年11月30日号掲載

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