「ルフィ・今村被告」と原宿署内でLINE通話した在フィリピンの暴力団関係者の正体 狙いは脅しかエールか

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裏盃

「盃をかわした当時の神戸山口組は今とは違って力がまだあり、そこをAが利用したという面が強いのが実態ではないかということです。Aとの盃は“裏盃”と呼ばれるようなもので、Aは神戸山口組に正式に所属しているわけではないようです。むしろAやB、そしてCは井上組長との関係を利用してビジネスを展開してきたのでしょう」(同)

 結果、ルフィと「兄弟分」だと見なされかねない状況になってしまっているということか。近づいてくる人を来る者拒まず、で受け入れて盃を交わしていると、ヤクザの方も被害を被るという時代なのかもしれない。

 ちなみにK弁護士は昨年6月、新型コロナ対策の持続化給付金などをだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕・起訴されている。

「今村被告と接見できたのはK弁護士が保釈中だったからです。今年6月に広島地裁で懲役3年6月の実刑判決を受け、控訴中の時期にこんなことをやっていたというわけですね。今回のCと今村被告の会話から証拠隠滅を疑わせるような内容はなさそうだとの見立てもあるようですが」(先の記者)

LINE通話にした理由

 それにしてもなぜ、2月に行われた「口止め仲介」がいまこのタイミングで事件化しそうなのか。実は今回、弁護士事務所などに家宅捜索が入ることになったのには、こんな経緯があったのだという。

「先日、NHKが放送したルフィ絡みの特番の中に今回の会話の模様が盛り込まれていました。そのことと無縁ではなさそうです。接見禁止中の被疑者や被告が第3者と接触できている状態が露見してしまった以上、当局としては放置しておけなかったということはあるでしょう」(同)

 JPドラゴン側の意志を伝えるなら、何もLINE通話にせず単にメッセージの伝達で事足りるはずなのに、なぜ「直接通話」までしたのか。

「仮に今村被告への口止めの意味合いということなら、さらにそれを強調したかったという狙いが考えられます。一方で、逆の意味合いもあるかもしれません。“激励”です。2009年の大相撲名古屋場所で、6代目山口組傘下の2代目弘道会(当時)幹部が関係者以外は観戦できないはずの土俵下の特別席で観戦していたことが問題となったことがありました。相撲中継に映りこむので、それを見ることができる服役中の組員を励ます意味合いがあったとされていますが、今回も“直接のエール”だった可能性もあるかもしれません」(同)

 当局が証拠隠滅の疑いを持っている以上、そのように事態は進展しそうだが、いずれにせよ、普通の弁護士なら渡らない危ない橋だったのは間違いない。

デイリー新潮編集部

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