「共産党盗聴事件」「出版妨害」 創価学会が隠したい“黒歴史”

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角栄からの電話

 かくして未曾有の大教団を育て上げた池田氏だが、光があるところまた影も。おくやみ記事では詳しく書かれなかった“闇”がある。

 その最たるものが「言論出版妨害事件」だ。

 創価学会が拡大の途上にあった1969年、政治評論家・藤原弘達氏が著書『創価学会を斬る』を刊行。池田氏を「天皇」と呼び、創価学会の政界進出を厳しく批判する内容だった。出版計画を知るや、創価学会は対抗した。

 同書で著者が述べたところによれば、

〈十月始めのある朝早く、まだベッドにいた私は突然の電話に起こされた。電話口に出てみると、政府与党のある有名な政治家からの電話だった。なぜ、そんな電話をかけてきたのか、といってきいてみると、私がここに出版しようとする『“創価学会を斬る”という本を出さないようにしてくれ、という公明党竹入委員長からの強い要請・依頼を受けての早朝電話である』ということであった。趣旨は、『ひとつなんとか執筆をおもいとどまってもらえないものであろうか』ということである〉

 ここでは明かされていないが、この政治家とは当時の自民党幹事長・田中角栄のことだ。今の構図で言えば、山口那津男代表の依頼で、茂木敏充幹事長が出版妨害を企んだということだから、その異様さは明らかであろう。

 その他にも、

〈公明党の都議会議員やまた多くの創価学会員は、予告広告したにすぎない『創価学会を斬る』を出させまいとする圧力をさまざまな形で私や出版社にかけてきた〉

政教分離に追い込まれた

 が、脅しや懐柔にも屈せず、同書は出版され、100万部以上のベストセラーになった。

 創価学会とそのトップである池田会長への批判は高まり、翌年、池田氏は、「言論妨害というような陰湿な意図は全くなかった」「関係者に圧力を感じさせ、世間に迷惑をかけた」「率直におわび申し上げ」たいと述べ、創価学会と公明党の「政教分離」に追い込まれたのである。

 ちなみに同書で藤原氏は、

〈創価学会・公明党が目下ねらっているものは、自民党との連立政権ではないか〉

 としているが、その30年後、見事に氏の予測は的中した。

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