【楽天・安楽問題】壮絶パワハラ報道をプロ野球OBはどう見たか 「第一報で抱いた疑問」「刑法に抵触」「球団は宝塚と同じ失敗をする可能性」
宝塚と楽天の共通点
安楽は後輩に何をしたのか、全容の解明が待たれるのは言うまでもない。ただし、この解説者は「楽天が発表した調査方法は不十分なところがあるかもしれません」と警鐘を鳴らす。
「スポーツ紙などに載った楽天のアンケート調査の内容に疑問を覚えました。果たして適切な調査だったのか、今後も注視が必要でしょう」
スポーツ報知(電子版)は11月27日、「【楽天】ハラスメント疑惑の安楽智大へのアンケート回収締め切り 内容を精査して再び聞き取りへ」との記事を配信。《球団が情報収集のために選手、スタッフら約100人にメールで行っていたアンケートの回収が26日、締め切られた》と報じた。
「真相解明のためには、安楽投手がいつから後輩へのいじめ行為に手を染めたのかを明らかにする必要があります。そのためには多くのOBにも調査を依頼しなければなりません。安楽投手が入団に合意したのは2014年です。それから9年の歳月が流れました。たとえ本当に田中投手がいじめの問題を看過していたとしても、より先輩の選手がずっと看過を続けてきた時系列にこそ注視すべきです。彼らは安楽投手の問題行動をどこまで知っていたのか、いつから知ったのか、調査で明らかにする必要があります。宝塚歌劇団でもOBに調査を行っていないことが問題視されたのは偶然ではありません」(同・解説者)
安易な温情は逆効果
楽天は安楽との契約更改交渉を延期し、今後については「未定」としている。果たして楽天は契約を更改するのか、出場停止などのペナルティを科すのか、それとも自由契約にするのか、世論の関心は高い。
ヤクルト、巨人、阪神でプレーした広澤克実氏は、少年を対象とした硬式野球団体「ポニーリーグ」の理事長を務めている。
ポニーリーグはアメリカで生まれ、日本では1975年に創設された。2020年から投手に独自の「投球数限度」を設けるなど、先進的な取り組みで知られる。
公式サイトでは「暴力の排斥」を謳っている。指導者を諫める言葉ではあるが、《他人の発言を封じ、自己の主張のみを通そうとする指導者は「破壊」のみであり成長はない》、《謙虚な心を持つべきである》など、安楽にこそ読ませたい文言が並ぶ。
「旧ジャニーズ事務所の問題は依然として連日のように取り上げられています。芸能界とプロ野球界は直接には関係がないと言う人もいるでしょうが、私は関係があると思っています。今は楽天が調査を開始した段階ですので何も言えませんが、もし報道が事実だとして、安易に情状酌量を認めたりすると、誰よりもプロ野球ファンが猛反発するでしょう」(同・広澤氏)
[3/4ページ]