【楽天・安楽問題】壮絶パワハラ報道をプロ野球OBはどう見たか 「第一報で抱いた疑問」「刑法に抵触」「球団は宝塚と同じ失敗をする可能性」

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前代未聞のケース

 解説者は「昭和における野球の問題点は、てっきり消滅したと思っていた」と語り、いくらパワハラが横行していた昭和のプロ野球であっても、安楽のようなケースは「聞いたことがない」と言う。

「昭和のプロ野球は、首脳陣と選手という観点から見れば、パワハラが横行していました。旧日本軍のようなスパルタ式で、昔の部活そのままです。監督やコーチの権力は絶対で、首脳陣が選手に鉄拳制裁を振るうことは日常茶飯事でした。一方、選手間では悪質な嫌がらせが横行していました。若手選手が活躍したりすると、野球の道具などがなくなってしまうのです。しかし、私は複数の球団でプレーしましたが、27歳の投手が後輩投手を殴ったり、勝手に罰金を要求したりといった文字通りの犯罪行為に手を染めるといった光景は見たことも聞いたこともありません」

 安楽の「いじめ行為」は、高校時代から常態化していたのではないかという指摘もある。スポニチアネックスは11月25日、「パワハラ疑惑の楽天・安楽 済美高時代にはカメムシ、灯油…部内で悪質いじめ」との記事を配信した。

 安楽は愛媛県の済美高校の野球部でプレーし、2013年春、2年生で出場したセンバツ大会では準優勝を果たした。ところが、彼が3年生の時、2年生部員が1年生の口にカメムシを入れたり灯油を飲ませようとするなど悪質ないじめが発覚し、日本高等学校野球連盟は済美高校に1年間の対外試合禁止処分を下した。

楽天の重い責任

「当時、安楽投手がいじめに加担していたとは発表されませんでした。その一方で、18Uアジア野球選手権大会の日本代表には選出が見送られるなど、一定の“ペナルティ”は科せられました。とはいえ、楽天でもいじめの問題が浮上したことで、ネット上では『済美時代から後輩には同じことをしていたのだろう』という声が多数を占めています」(前出の記者)

 安楽によるいじめ騒動は、同僚である田中将大(35)にも思わぬ形で飛び火した。

「同じ楽天の松井裕樹投手(28)が10月7日に500試合登板を達成しました。その際に記念撮影が行われ、安楽投手が後輩投手の背中を笑いながら足で押し、田中投手も同じように笑いながら見ている一部始終が動画に記録されていたのです。動画はネット上で拡散され、『ベテランの田中が安楽を諭さなくて誰がやる?』という声が高まっています。田中投手も同罪というわけです」(同・記者)

 だが、前出の解説者は「田中投手も結局のところ一人の自営業者に過ぎません」と指摘する。

「もし報道されている安楽投手の問題行動が事実だとしたら、彼の責任が大きく問われるのは当然です。しかし、問題を野放しにしていた責任は楽天球団にあり、田中投手にはありません。楽天が安楽投手の問題行動を放置していたことは明らかで、球団には重い責任があると思います。今後、楽天の責任問題も注目を集めるはずです」(同・解説者)

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