山川穂高は西武「ファン感謝イベント」に不参加 来年のカレンダーには…移籍話はどうなっているのか
現れなかった「背番号3」
プロ野球で契約更改のニュースが始まる頃、各球団で開かれるのが「ファン感謝イベント(ファン感)」だ。11月26日、京セラドームで開催されたオリックスのファン感では、ポスティング・システムを使ってMLBへ挑戦する山本由伸(25)、国内FA権を行使して日本ハムへ移籍する山崎福也(31)の両投手が挨拶した。山本は、
「7年間、応援してくださった皆様のおかげで、自分のスタートラインに立てそうになりました」
一方、山崎は、
「最後の最後まで悩みました。パレードの時もグラグラ揺らぎました。ここで対戦できることを楽しみにして、北海道の地で頑張ってきます」
それぞれ、これまで応援してくれたファンに直接、感謝の意を伝え、新天地での飛躍を誓った。
ところ変わって、埼玉県所沢市のベルーナドームでは、埼玉西武ライオンズのファン感謝イベント「LIONS THANKS FESTA 2023」が午前10時から開かれた。今回は全席指定のチケット制となり、今年一番の寒さで底冷えのする中、多くのファンが訪れた。
西武は2024年、球団としての初となるOB戦を3月16日に行う。すでに渡辺久信・現GM(58)や潮崎哲也・同ディレクター(55)はじめ東尾修氏(73)、田淵幸一氏(77)、森繁和氏(69)、石毛宏典氏(67)、辻発彦氏(65)といった錚々たるOBの出場が発表されているが、この日は第4弾となる参加選手の発表があり、ファンも注目していた。
「午後1時10分過ぎ、球場のメインビジョンに告知が流れました。最初に21年まで在籍した、エルネスト・メヒア(37)が出場するとアナウンスがあり客席は沸きましたが、続けて発表された共に元福岡ソフトバンクホークス監督の秋山幸二氏(61)、工藤公康氏(60)に加え、“黄金時代の司令塔”、元ロッテ監督の伊東勤氏(61)の名前がコールされたときは、スタンドから歓声が起こりました。もっとも、残念ながら清原和博氏(56)の名前は出ませんでしたね」(ファン感に参加した50代の西武ファン)
その清原の背番号「3」を受け継いだあの男も、この日のファン感には姿を見せなかった。国内FA権行使で行方が注目される、山川穂高(32)である。
交渉がまとまらない?
「ファン感の参加選手の発表があったのは、開催直前の24日でした。出ないだろうという予想が圧倒的ではありましたが、案の定、山川の名前はありませんでした。でも、同じく国内FAを表明している平井克典(31)は参加しています。まあ、これで山川は完全にライオンズから出ていくんだなと、確信しましたね」(前出・ファン)
山川は11月14日にFA行使を決断。翌日には福岡ソフトバンクの三笠杉彦GMが「選手として資質は申し分ない。総合的に分析を進めていきます」と獲得に名乗りをあげ、条件として、「4年総額12億プラス出来高払い」、あるいは「4年20億」などと報道された。
その後、獲得に名乗りを上げる球団が現れず、ソフトバンクの一本釣りかと思われていた。しかし、交渉がトントン拍子に進んでいる様子はなく、22日には、都内のホテルで開かれたオーナー会議に出席した後藤芳光球団社長兼オーナー代行が、
「選手として総合的にみた分析は進めている。チームとしてもう少し時間をかけて、近いうちに答えを出したい」
と語り、すぐに交渉がまとまる状況ではないことを説明した。
「ソフトバンクも世間の反応を気にしているのでしょう。獲得に乗り気であることが報じられると、ネットでは大変な反響がありました。その大部分が獲得に反対するというもの。山川が起こした知人女性とのトラブルは、不起訴になったとはいえ、やはりイメージはよくない。ネット世論の反応を見て再考しているのではないか、という見方をする球界関係者もいます」(ベテランライター)
西武ファンの中には別の見方もあった。11月23日は山川の誕生日なので、その日に決着がつくのではないかと言われていたという。
「昨年、FAでオリックスに移籍した森友哉(28)、18年に同じくFAで楽天に移籍した浅村栄斗(33)は、いずれも最終年のファン感に出席し、ファンの前で最後の挨拶をして移籍しました。その流れを考えると、山川もこれまでのようにマスコミの前でなく、ファンの前できちんと挨拶をして去っていくのかなと思っていました。色々と思うところはあるけれど、もし、ソフトバンクとの交渉がうまくいかないなら西武に残留して、頑張ればいいじゃないかという思いもありました。どちらにせよ、ファンの前で何か話して欲しかった。残念ですね」(前出・ファン)
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