「体重が減らなかった人はいない」「平均で6~7キロやせる」 最強の「やせ薬」オゼンピックとは 副作用はある?
美容目的での乱用ゆえに薬不足が起こっているのは問題だが…
一方、薬が人気になったせいで供給不足が起こっていることについては、
「その背景には、健康な人が痩身目的でGLP-1受容体作動薬を自費で購入しているということがある、とされています。元来、肥満のない女性のさらなる痩身目的でのGLP-1受容体作動薬の使用は、体に悪い影響があるかもしれないことを認識していただきたく思います」
先の久住氏はこんな意見。
「美容目的での乱用ゆえに薬不足が起こっているのは問題ですが、そういった状況のために厚労省がウゴービの薬価を決めかね、薬の効果に期待している人の手に届けられないというのであれば、もっと問題だと思います。科学的に有効な数値が出ている以上、治療に使うのは適切であると私は考えています」
肥満は万病の元。薬によって「メタボ人口」が減れば、生活習慣病に悩む人も減るのではないか。
「生活習慣病のうち、糖尿病はGLP-1受容体作動薬で改善されるし、高血圧も体重減少と共に良くなります。つまり、GLP-1受容体作動薬は生活習慣病の根本的な改善にもつながるのです。現段階での“最強の糖尿病薬”であり、ある種のゲームチェンジャーといえると思います」(前出・牧田氏)
肥満は薬で治す。われわれはそんな新しい時代の入り口にさしかかっている。
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