「体重が減らなかった人はいない」「平均で6~7キロやせる」 最強の「やせ薬」オゼンピックとは 副作用はある?
糖尿病に効くだけではなく、劇的な体重減少効果があるオゼンピックなどの「GLP-1受容体作動薬」に大きな注目が集まっている。これらの薬は本当に注射するだけでやせられ、日本人の生活習慣病を減らすゲームチェンジャーとなるのか。「奇跡の薬」大検証。
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「注射するだけでやせられる薬がある」――そう聞けば多くの人が眉に唾をつけるに違いない。しかし、怪しげに聞こえるこの言説は紛れもない事実なのである。
オゼンピック、リベルサス、マンジャロといった薬の名前を聞いたことがないだろうか。いずれも近年登場した、「GLP-1受容体作動薬」というタイプの糖尿病薬である。これらが目下、世界中で注目されているのは、糖尿病に対して効果があるだけではなく、「やせる」ことが分かってきたからだ。ちなみに、オゼンピックとリベルサスの一般名はセマグルチド。今年4月に登場したばかりのマンジャロ(一般名・チルゼパチド)は最終段階の臨床試験で20%以上の痩身(そうしん)効果を示したという。そうしたことから、これらの薬を使った「GLP-1ダイエット」が世界中で流行する事態となっているのだ。
在庫が逼迫
もっとも、わが国では現在、保険の適用となるのは糖尿病の患者に処方した場合のみ。しかし、美容クリニックなどが自由診療で「やせ薬」として処方するケースが相次いでいることもあり、「GLP-1」薬全体の在庫が逼迫(ひっぱく)。本当に薬を必要とする糖尿病患者に行きわたらなくなるのを避けるため、厚生労働省や日本糖尿病学会が「適正使用」を呼びかける通知や見解を出しているものの、状況はあまり改善していない。一方、厚労省は今年3月、オゼンピックと同成分のウゴービを肥満症薬として製造承認している。
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