キシダ退陣説に焦る韓国 「日本の食い逃げを許すな…」呼び捨てにされる最悪の後継候補は

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さらなる謝罪と賠償を要求

――岸田政権の寿命が尽きかけた今、韓国はどう出ますか?

鈴置:岸田退陣までに取れるものはとっておこう、という作戦に出るでしょう。興味深い論説が保守系紙に相次ぎ載りました。いずれも「日本は徴用工問題でさらなる謝罪と賠償をせよ」との主張です。

 東亜日報のシン・ジンウ政治部次長が書いた「韓日関係が不安という日本…最小限の誠意を見せよ【光化門にて シン・ジンウ】」(11月23日、韓国語版)です。要約すると以下です。

・最近、日本では韓国の政権が代われば日韓関係は逆戻りすると見ているようだ。それが不安なら、元徴用工への謝罪と賠償に誠意をもってあたれ。韓国の不満を解消せよ。

 本音ベースで言えば「日本がさらなる謝罪と賠償をしてこそ、尹錫悦政権を支えることができるぞ」と言いたかったのでしょう。しかし、そこまで書くと左派から「外勢依存」と批判されかねないので、筆をぼかしたと思われます。

――さらなる謝罪や賠償で尹錫悦政権を支えられるのですか?

鈴置:支えられません。「日韓友好で支持率アップ? 岸田首相が気付いていない、空中分解する『尹錫悦政権』の現在」をお読みいただくと分かりますが、この政権の不人気は日本の謝罪で改善できるほど軽いものではありません。

「コップの水」の残り半分

――そもそも、この問題での日韓のディールは終わったはずでは?

鈴置:韓国では終わっていないことになっています。「徴用工問題」で韓国政府が解決策を発表した3月6日、朴振(パク・ジン)外交部長官が以下のように発言したからです。

「被告となった日本企業の賠償は引き出せなかった。半分の解決ではないか」との記者からの質問に答えたものです。ノーカットニュースの「朴振発表全文『問題解決の終わりではなく真の始まり』」(3月6日、韓国語)から引用します。

・さきほど半分と言われましたが、私は同意しません。水に例えれば、コップに水を半分以上満たしたと考えています。そして、これから為される日本の誠意ある呼応によって、そのコップはさらに満たされると期待します。
・膠着した韓日関係の改善のために突破口を開こうとした我が国の政府の大乗的な決断に対し、日本側が日本政府の包括的な謝罪と、日本企業の自発的な寄与で呼応することを期待します。

 この発言は日本ではさほど注目されませんでしたが、韓国メディアはこれを基に「日本の誠意ある呼応がまだない」と不満をこぼし続けているのです。

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