イチローを筆頭に“大化け”する選手が続出…「ドラフト4位」から球界のスターに駆け上がった男たち
メジャーから熱視線を浴びる「日本のエース」も
近年のドラフト4位成功組では、2016年のオリックス・山本由伸の名が挙がる。都城高では1年夏から正三塁手になったが、「投手、野手の両方をやりたい」と自ら希望し、1回戦の高千穂戦では1点リードの8回からリリーフ登板。しかし、1死満塁のピンチを招き、スクイズを外してホッとした直後に逆転タイムリーを浴びてしまう。
この悔しさをバネに1日4食の“食トレ”でパワーアップし、1年生大会の宮崎日大戦で16奪三振をマーク。当時140キロだった球速も、2年秋に最速151キロを計時し、宮崎県ナンバーワン右腕として注目を集めた。
だが、勝ち運に恵まれず、3年春の県大会準Vが最高成績。最後の夏も県大会3回戦で敗れ、甲子園、九州大会のいずれも出場できずに終わったことから、スカウトからAクラスに近い評価を受けながら、ドラフト4位での指名となった。
オリックスの指名に「安心しました」と小さくガッツポーズした山本は「ストレートと変化球に磨きをかけ、緩急を使った投球をしていきたい」(同年10月21日付・宮崎日日新聞)と抱負を語った。そして、プロ入り後は150キロ台中盤のストレート、140キロ台のフォーク、120キロ台のカーブと緩急自在の投球で、「日本球界のエース」と呼ばれるまでになった。
このほかの4位指名組も、東映・金田留広(68年)、ヤクルト・尾花高夫(77年)、巨人・川相昌弘(82年)、ヤクルト・飯田哲也(86年)、ロッテ・初芝清(88年)、ダイエー・下柳剛(90年)、横浜・多村仁(94年)、西武・和田一浩(96年)、ダイエー・川崎宗則(99年)、阪神・赤星憲広(00年)、ロッテ・渡辺俊介(00年)、日本ハム・近藤健介(11年)、西武・平良海馬(17年)、日本ハム・万波中正(18年)ら多士済々。
即戦力主体のドラフト1、2位に比べて、主力になるまで2、3年かかる例が多いドラフト4位だが、今年指名された選手たちの中にも未来のスターがいるかもしれない。