妻と前夫は今も親密だったことを知りショックを受けた42歳夫 さらに腹が立った彼女の釈明、でも自分でも大馬鹿だと思う出来事が

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「離婚後も何度か男女の関係をもったけど」

 彼は不安になり、帰りがけにその女友だちの乃理子さんを誘ってもう1軒、飲みに行った。彼女は結局、再婚もうまくいっておらず、もうじき離婚することになりそうと笑っていた。

「前夫とは離婚後も何度か男女の関係をもったけど、それは恋とか愛とかではない。もちろん今の夫にそれは知られていない。ただ、前夫に会うのを嫌がってはいる。私は子どもが物心ついてから離婚したから、子どもを父親に会わせているだけと今の夫には言っていたの。でもすんなり納得はしないよね」

 乃理子さんはそんなふうに話してくれたという。今の夫を愛していると思いながら、前の夫と関係を持ってしまう女の心理はわからないと輝司さんは嘆いた。なじみがあるって大きいのよと乃理子さんは言った。

「僕も大馬鹿なんですが、その日、乃理子と関係をもってしまったんです。何をやってるんだか……。すると乃理子は『ね、たいしたことじゃないでしょ』って。そもそも僕は英美里と前夫が関係をもっていると疑っているわけではない。なのにどうしてこういうことになったのか。『つまり、男と女はどっちもバカだねってことよ』と乃理子が言うので、つい笑い出してしまいました」

妻と自分はどちらが罪深いのか

 乃理子さんとは学生時代からの友人だが、以前にもこんなことがあったと彼は思い出した。元婚約者を失って、彼が自分を完全に見失っている時期だった。たまたま職場近くで彼女とばったり会って飲みに行き、そのままホテルへ行ってしまったのだった。

「『ね、私たちだって変な関係でしょ』と彼女が言うので僕も納得はしましたが、それと前の結婚におけるパートナーとの関係はリンクするんだろうかとますますこんがらがってしまいました」

 妻と自分はどちらが罪深いのか、どちらがより相手を傷つけているのか。彼が考え込んでいると、乃理子さんがさらりと言った。

「どちらも罪深くない。そんなことも人生にはあるというだけ」

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