妻と前夫は今も親密だったことを知りショックを受けた42歳夫 さらに腹が立った彼女の釈明、でも自分でも大馬鹿だと思う出来事が
「恋愛感情もない」とは言うものの…
英美里さんによると、彼女が輝司さんと結婚したことを前夫に知らせたことがきっかけで、ときどき会うようになったという。娘を実の父親に会わせるのは悪いことではないと判断して、栞さんを連れていくこともあった。
「娘もあっちに懐いちゃって……。また会いたいというから連れていった。でもたまにはふたりで会おうということもあってと彼女は悪びれもせず言うんです。今の夫はオレだろと言ったら、『でも彼は栞の父親なのよね』って。『栞の父親という以外の関係はない』と言うんですが疑わしい。少し質問攻めにしたら、『恋愛感情もない。だけど親戚みたいな親しみはある』と。夫婦でいるより友だちでいるほうが気が合う感じだとも言う。正直だけど、その正直さが僕を傷つけた。黙っていると『私が愛してるのは輝司だけだよ』と抱きしめられました」
なんだか腑に落ちなかったと彼は言う。そして彼は英美里さんに誘われて前夫に会った。妻と妻の前夫、その間に生まれた娘だが、今は彼の娘となっている子。4人が一堂に会することで彼は緊張を隠せなかったが、英美里さんと前夫はにこやかに話している。
「前夫というのが職業不詳の男でして。だからといって貧しいわけでもないらしい。よくわからない、うさんくさいヤツでした。でも英美里は彼の前では生き生きしてましたね。なによりよく笑うし、よくしゃべる。僕にあんな笑顔を見せたことはなかったような気がする。娘も『パパ、パパ』とそばに行きたがる。栞が生まれてすぐ離婚して、ほとんど顔も見せなかったと聞いていたのに、やはり血は濃いんでしょうか。僕が栞にどんなに気を遣っても、あんなに自然に『これ嫌い、パパ食べて』なんてわがままを言いませんからね」
英美里さんの「嘘」
だが、再婚したことを機に前夫と会うようになったという経緯、そして娘と父親が会っていなかったというのは英美里さんの嘘だった。前夫の話から、3人はずっとときどき会っていたとわかった。
「どうしてあんなバレるような嘘をついたんだと言ったら、あなたを傷つけたくなかったし、結婚したらもう前夫に会うつもりはなかったのよって。だんだん英美里を信じられなくなっていきました。僕が前夫に会ってからは、英美里は既成事実ができたと思ったのか、『今日はパパに会ってくるね』と言うようになりました。前夫は独身らしく、いつでも都合がつくみたいで。栞はそのころ幼稚園に通っていたんですが、その行事にも前夫がやってくる。僕を見ると『いつも娘と前妻がお世話になって』と言うんですが、戸籍上、養子縁組をしていますから今は僕の娘なんですよ」
だんだん英美里さんとの間に心の距離を感じるようになった輝司さんだが、逆に英美里さんは彼に対して「信用してる」と言葉に出して言ってくることが増えた。家計を担い、娘のためにもお金を遣っていながら、信用はされていても愛されてはいない。彼はそんな思いがわいてきた。
「学生時代の友人数人と会ったとき、そんな話を愚痴混じりにしたことがあるんです。そうしたらバツイチで再婚した女友だちが『それ、利用されているだけじゃない?』って。彼女自身、そんな気持ちになったことがあると言い出したんです。『再婚してから、前の夫が懐かしくて会いたくなったことがある』と。『前夫とは責任のない関係だから気楽で、しかも昔を知っているから気が置けない』と解説してくれました。そして、『でもね、気をつけたほうがいいよ。簡単に男女の関係になる可能性があるから。ま、そんな関係は続かないけど』とも言っていました。ちょっとパニックになりましたね。僕が全身全霊を懸けて大事にしたいと思っている妻を、そんな簡単に盗られるわけにはいかない。『でも、男女の関係なんて何が起こるかわからないじゃない?』と女友だちが言うんです」
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