深夜枠を中心にテレビドラマで“ラブシーン”が復活 スタッフは「必ずしも歓迎されているわけではない」
ベッドシーンは要注意
先にドラマの制作本数が増え、深夜ドラマが存在感を発揮していることがラブシーンの増加につながっていることを紹介した。だがもう一つ、重要な背景があるのだという。
「コロナ禍が一段落し、ポスト・コロナの時代が到来したからです。コロナが猛威を振るっていた時期は、役者さんを密着させる演出は避けていました。感染症法上の位置づけが2類から5類になったことで、役者さんにキスシーンやベッドシーンを演じてもらうことが再び可能になったのです」(同・スタッフ)
恋愛や不倫を描くにしても、リアルな描写ができるのとできないのとでは、受ける印象が全く違うのは言うまでもない。スタッフも役者も歓迎しているのかと思いきや、必ずしもそうではないという。
「コロナ禍が起きる前から、テレビの制作現場ではコンプライアンスが徹底されてきました。過激なシーンは影を潜め、画の撮り方も役者さんの動きもソフトなものにしてきました。こうした演出が数年ほど続き、そこにコロナ禍が襲いかかったわけです。こうしたドラマに慣れた視聴者、特に若い世代は、急にラブシーンが復活して戸惑い、場合によっては嫌悪感を抱くこともあるようです。キスシーンはOKでも、ベッドシーンは要注意というのが制作現場の実感です。微妙なさじ加減が必要ということでしょう」(同・スタッフ)