三浦瑠麗氏に勝訴した53歳「テレ朝サラリーマン弁護士」が退職して「弁護士事務所」を開業したワケ「正義を貫いて人生を終えたい」

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現世での幸せは諦めているので…

 そして、結局、辞めざるを得なくなってしまったというのだ。再び信念を貫き通した西脇さんだったが、いざ独り立ちした心境はどうなのか。

「勢いで辞めてしまったので、正直、怖いです。やっぱり会社員は守ってもらえますからね。これからは全て1人で、営業も事務作業もこなしていかねばなりません。電話秘書サービスにも加入しましたが、土日対応も入れると月4万円近くするのにはびっくりしました。しかも電話はまだ1本しかかかってきていません。本当にやっていけるのか不安になるばかりです」

 せっかく28年間勤め上げた会社で部長まで上り詰めたのに、もったいないという意見も多いだろう。会社でも引き留める人が多かったというが、西脇さんは「まあ、いいんです」と言う。

「元妻が出ていって以来、現世での幸せは諦めて生きています。よく考えたら53で定年も近いし、一人暮らしで失うものもない。だったら後で後悔するより、最後は自分らしく信じる道を進む方がいいかなって」

 西脇さんが目指す自分は、弁護士として活動しながら、伝えたいと思った事象にぶつかった時には弁護士経験を活かしながらとことん取材するジャーナリスト。

「フリーにならないとそんなことはできませんしね。ただ、離婚や名誉毀損の相談がきたら、熱くなってしまいそうです…」

 真っ直ぐ過ぎるのか、不器用なのか――。53歳にして新たな挑戦を始めた西脇さんの今後に注目したい。

デイリー新潮編集部

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