糸引く「デスマフィン」騒動で思い出す、ネット上を席巻した「食品・飲食トラブル」 伝説の「スカスカおせち」に、大人気商品への「ゴキブリ混入」問題も…
シズル出しすぎ
上げ底と並んで問題視されるのが「サンドイッチの断面」についてである。棚に並んでいるサンドイッチを見ると断面には豊富に具が入っているように見えるのだが、パンの大部分に具が入っていない。買った人の落胆たるや……、気の毒である。これは「ハリボテサンド」とも呼ばれる。
もう一つは、「シズル出し過ぎ」問題だ。有名なところでは、「練乳いちごミルク タピオカ入り」がある。これは、プラスチックカップに入ったドリンクなのだが、パッと見かけたら「おぉ! 底にイチゴ果肉が溜まり、イチゴが全体的に浮遊している!」と思うが、これはあくまでもパッケージデザイン。実際には果肉感はあまりない商品なのである。味については「おいしい」という評価はあるものの、期待値は下がったと言わざるを得ない。
あと、今年話題になったのが、「炭火焼室蘭風やきとりおむすび」。パッケージの背後は黒く、あたかも海苔が添付されているかのように見えるが、実際は黒い色の包装フィルムなのである。さらには「塩むすび」の真ん中が空洞になっているという指摘も2021年にされ、コスト削減の努力は分かるものの、せめて実態を示してもらいたいものである。
お前のせいで
【サッポロビール「ラベルスペルミス」騒動】
トホホな話が続いたので、ここは少し「良い話」を。2021年2月、サッポロビールはファミリーマート限定で「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」というビールを発売。しかし、本来「LAGER」と缶に記載すべきところを「LAGAR」と記載してしまい、一旦販売は中止されるとの判断になった。
その後、ネットで「もったいない」「構わない」といった声が相次いだことから、スペルミスの缶の商品も発売。店頭POPでは「× LAGAR→ 〇 LAGER お客様のあたたかいお声を多数いただいたおかげで発売できました! スペルは間違えたけど、アジは間違いなし!」と記し、ほのぼのとしたエピソードになった。
【ペヤング「ゴキブリ混入」騒動】
2014年12月、カップ焼きそば「ペヤング」で知られるまるか食品が、ゴキブリの混入した商品を発売。製造工程で入ってしまったものだが、これをとある男性がツイッターで報告。すぐに同社は回収・生産ラインの停止を決定した。カップ焼きそばにゴキブリが入るという衝撃画像とともにネットではこの件が多数取り沙汰された。
だが、この問題は意外な方向に行く。なんと、ペヤングファンが男性に対して「余計な報告するな」や「捏造だ」などと批判を多数浴びせたのだ。日頃からペヤングは評判が良かっただけに「お前のせいでペヤングを食えなくなったらどうするのだ!」的な感情からこのような書き込みが相次いだのだろう。
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