支持率が最低水準の岸田総理に元側近が苦言「信念がないから“語る力”がない」「奥の座敷には入れてくれない」

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“自分は現実主義者なんです”

 では、支持率急落を招いている岸田総理の「語る力」のどこが問題なのか。

「そもそも、岸田さんの中に“語るべきもの”があるのか、疑問です。一昨年の自民党総裁選の直前、現在官房副長官を務める村井英樹が私のところに来たんです。そこで彼は“新しい資本主義について三ツ矢さんに相談してこい、と岸田さんに言われた”というんです。では、“新しい資本主義って何をやりたいのか”とこちらから聞くと何もなかったんですね。キャッチフレーズはいいんだけど、自分がこの路線で行くんだ、という信念がないように感じます。信念があれば、国民に語りかける言葉にも力が出てくるはず。会合などの席でも、踏み込んだ話はしてくれません。岸田さんと話していると玄関先から応接間までは入れてくれるけど、奥の座敷には入れてくれない、そんな感じです」

 ある時、三ツ矢氏は岸田総理からこんな言葉を聞いたという。

「岸田さんが総理になった後、“どんなことをしたいのか”という趣旨のことを聞いたことがありました。その時、“自分は現実主義者なんです”と言って、目の前の問題を一つ一つ的確に対処していきたいと話していました。しかし、政治家の仕事というのは、問題の対処について“方向性”を示して解決していくことです。ただ問題に対処するだけなら、官僚でもできるし、そちらの方が政治家よりもうまく処理できるでしょう。だから政策と政策の間に整合性がとれなくなってしまう。その“方向性”を示せなかった一例として、少子化対策が挙げられます。仰々しい言葉がついた少子化対策は突き詰めれば、児童手当を増やすという政策です。しかし、児童手当を増やすだけで子どもが増えるのでしょうか。非正規雇用で結婚できない若者など様々な原因が背景にあるはずなのに場当たり的で、方向性を示して対処できているように思えません」

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