駅から消える「時刻表」「時計」「みどりの窓口」… 撤去の背景にあった「SDGs圧」「自治体とのバトル」の真相

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「みどりの窓口」まで“リストラ”

 しかし撤去に反発して、自治体が自前で時計を購入したケースもある。山梨県では21年にJRの22駅で時計が撤去されたが、「市民から“不便だ”といった声が多く寄せられ、再設置を求める決議を市議会で可決。市の予算で電波時計購入費として計約24万円を支出し、昨年12月に再設置した」(大月市総務部)という。

 “リストラ”の波は「みどりの窓口」にまで及ぶ。JR西日本によると、管内のみどりの窓口設置駅数は3年前に約340駅だったが、現在では約220駅(今年4月1日時点)にまで減少。JR東日本でも、現在(今年4月1日時点)の設置駅数「首都圏137駅」「地方圏145駅」の配置を、25年をめどに「首都圏70駅」「地方圏70駅」へ縮小する方針という。

「背景にはネットでの予約サービスが拡充し、キャッシュレスの普及も手伝って、有人の窓口や券売機で乗車券を買う利用客が年々減少している現実があります。コロナ禍で減収減益に見舞われた鉄道各社の売上は回復傾向を見せていますが、少子高齢化の影響で鉄道収入の先行きには不透明な部分も残る。そのため各社とも一層のコスト削減は避けて通れず、これまで駅にあって当然だったものがなくなるなど、今後も“変化”のスピードは加速していくと見られています。ただし有人窓口の閉鎖が駅員不足の解消につながり、再配置によって駅の営業時間が拡大するなど利便性の向上に繋がっているケースもあります」(前出・鉄道ライター)

 技術の進歩やモバイル化の進展で、最終的にはすべての駅が「無人化」へと向かうのか。

デイリー新潮編集部

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