宝塚新理事長が「いじめはあったのでしょう」と吐露 生徒は「ご遺族に誠意を」と要求も「今回認めたら全てを認めることに」

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「やりたい人だけでやればいいじゃない」

 社会部デスクが言う。

「Aさんは生前、複数の先輩団員らにハラスメントを受けていたと報じられています。『マインドが足りない』『うそつき野郎』などとAさんをののしったといい、やけどの一件とは別に、遺族の弁護団は11月10日に開いた会見で、こうした言動をパワハラだと指摘したのです」

 一連の“主犯”と目されているのは、先輩のS。彼女の言動は、とりわけ下級生に恐れられてきたという。

「入団7年目のAさんは(1~7年目による)新人公演の『長の期』でしたが、娘役の彼女は男役については詳しく分からない。そこに追い討ちをかけるように、Sからは『下級生はどうなっているんだ』などと、責任を一身に押し付けられて詰(なじ)られることもしばしばあったというのです」

 そう話すのは、さる現役劇団員の保護者である。

「そのSさんは現在“パワハラなんてなかったのだから”と言わんばかりに、『PAGAD』東京公演に向けて練習しています。トップスター就任後、東京宝塚劇場でのお披露目となる舞台でもあり、会見前には下級生に対して『やりたい人だけでやればいいじゃない』と呼びかけたり『頑張ろう』とガッツポーズで鼓舞したり、張り切っていたといいます」

「このまま東京でできるのかな」「休演しようか」

 が、当初11月25日に始まるはずだった公演は、12月14日まで中止に。

「下級生たちは現在、とても舞台に立てる心の余裕はなく、『Sさんはどんな神経してるんだ』『このまま東京でできるのかな』『休演しようか』と、口々に不安を漏らしていると聞きました」(同)

 先のデスクは、

「遺族の弁護団は、劇団に対して再検証とともに面談を求めています。一方で劇団は目下、過重労働や受け継がれてきた慣習などの改善を検討すべく、宙組のみならず五つの組と専科の全生徒と現場スタッフへの聞き取りを進めています」

 もっとも、会見で村上専務理事は、

〈全てがおかしいとか、全て変えないといけないとは思っていない〉

 と述べ、また親会社である阪急阪神ホールディングスの角(すみ)和夫会長は本誌(「週刊新潮」)に、

「向こう(遺族側)の弁護士が言ったのが、すべて正しいとは思っていません」

 そう言い切っていたのだ。

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