中日・高橋周平(29)「契約年数」公表は移籍の秋波? 「今の人の下ではやりたくない」で大野雄大との“同時FA”にスタンバイ
中田のオプトアウト判明は遅かったが
高橋周は昨オフの国内FA権に続き、今オフは海外FA権を取得した。来オフに2年契約が切れることが判明したため、FAになれることが満天下に示された。
「中田(翔=巨人)は今季終了直後にオプトアウトの権利を持っていると報じられ、他球団は急きょ、獲得を検討しました。ただ、主なポジションでは構想が固まっている球団もあり、ここまで中日ぐらいしか前向きな方針を示していません。高橋周のFAは来オフですから他球団は人的、金銭補償がどの程度発生するのかを含め、球団内で協議する時間が十分にあります。編成担当者は来季、そのつもりで高橋周の動向を追っていくことになると思います」(同編成担当)
高橋周もFA移籍に備えているかのように、故障がちだった今季の反省を生かし、フルシーズンを戦うためのトレーニングに余念がない。今オフはスケジュールを前倒しし、1月は従来のようなウェイトトレーニング主体ではなく、バットを持つなど野球の動きを中心に据えた練習に変更する。今季通算2000安打を達成したチームの先輩、大島洋平外野手との合同自主トレも解消するという。「代打1本とか、守備固めとか途中から行くのであれば、そんなにトレーニングも必要性はないと思いますが……。しっかりやらないといけないという思いは強いです。1年間出るためには、いい準備はできているかな」との言葉は中日でのレギュラー奪回宣言にとどまらない意味合いがあるように聞こえた。
大野雄はFA視野に強気発言?
中日の古参のチームスタッフが今後を展望する。
「監督は来季が契約最終年ですが、続投の可能性もあります。現体制が継続となれば、周平はFAで出て行くことを本気で探るのではないでしょうか。(同じく海外FA権を持つ)大野(雄大)にも同じように可能性があると思います。(今オフの契約更改後の会見で)監督ら首脳陣に批判めいたことを言ったのは(立浪監督最終年の)1年だけ我慢してプレーして、オフにはFAで出て行けばいいと強気になれる背景があったからでしょう。今の人(監督)の下ではやってられないと言っている選手は少なくないので……」
大野雄は国内FA権を取得した20年オフ、行使すれば巨人、阪神、オリックスとの争奪戦は必至とみられていた。今季は故障で1試合の登板に終わり、35歳とはいえ貴重な左腕だけに、来季けがさえなければ獲得球団は出てくるだろう。多くの同僚がこうした事情を把握している中で、来季に向けて「(起用法を)決めるのは監督なので、与えられたことをやっていきたいです」と淡々と話していた高橋周の心中はいかに――。