中日、中島や上林ら「戦力外選手」をかき集める大補強! 次の一手は、龍空らの“大型トレード断行”か?

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守備固めとして貴重な戦力

 そして、上林にも大きな期待が寄せられている。近年は怪我で成績を落としているが、2018年には143試合にフル出場して22本塁打、62打点をマークしている。過去3度のシーズン二桁ホームランをマークしており、層の厚いソフトバンクの中でもその潜在能力の高さに対する評価は非常に高かった。

 ただし、ここ数年のプレーを見ると、不安も残る。2019年からの3年間は、一軍で一度も2割以上の打率を残していない。昨年は復調の兆しを見せていたものの、5月に右アキレス腱を断裂して、長期離脱。今年も、一軍で打率.185、0本塁打、二軍でも打率.241、4本塁打と成績は低迷している。

 中日の外野陣は、岡林勇希と細川成也が台頭しており、ベテランの大島、若手で近い将来の中軸として期待されるブライト健太、鵜飼航丞らもいる。さらに、上林と年齢の近い外野手には、トレードで加入した後藤駿太と川越誠司が控えており、ポジションの重なりが気になるところだ。

 上林は、来年で29歳とまだ若く、当然、ここから調子を上げていくことも考えられるが、広いバンテリンドームナゴヤが本拠地となり、足に負担がかかる可能性は高く、アキレス腱の故障歴は、不安材料のひとつだろう。

 一方、山本は、今年一軍出場がなかったものの、巨人、阪神と層の厚いチームで通算341試合に出場しており、内野ならどこでも守れるユーティリティプレイヤーとして存在感を示していた。

 中日は二遊間の選手を多く獲得しているものの、長くバックアップ要員として活躍していた堂上直倫が今季限りで引退しており、実績のある選手は少ない。内野の若手が調子を落とした時の代役や、守備固めとして貴重な戦力となる可能性は高そうだ。

「打点を挙げてくれる選手には魅力」

 今オフの中日の動きは、就任三年目の来季に懸ける立浪和義監督、中日球団の強い思いを感じさせている。巨人を自由契約となった中田翔の獲得にも乗り出した。11月15日に配信された日刊スポーツによると、立浪監督は、中田について、以下のように語ったという。

「WBCも一緒にやっていますし、今でも親しい関係にある。巨人で故障もあったが、勝負強さはなかなか身につくものではない。実際に(シーズン)100打点を何回も挙げている。ウチに必要なのは……もちろん本塁打とかはあるけど、打点を挙げてくれる選手には魅力はあります」

 ただ、仮に中田がチームに加わったとしても、ファーストのポジションが、ビシエドや中島と重なることから、単純に戦力がプラスになるかは計算できない一面もある。中田は「在京球団」を希望しているとの報道があり、そもそも中日が獲得できるか、不透明だ。

 そうなると、さらなる戦力アップに向けて、トレードが重要になってくる。ドラフトで2年続けて内野手を多く獲得したことで24歳前後に二遊間のチャンスメーカータイプが揃ったほか、前述したように外野手も上林が加入すると、“余剰戦力”が出てくる。かつて星野仙一監督時代には数々の大型トレードを成立させて、チームを作り変えてきた。立浪監督も、それに倣い、大型トレードを進めるべきではないだろうか。

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