「井上組長に命をかけている」 神戸山口組幹部の刺傷事件公判がスタート

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親衛隊しかいない

 実際、6代目の2次団体・4代目倉本組を通じて移籍のアプローチはあったと伝えられている。とはいえ、一旦絶縁された組織に戻ることができる可能性はほぼゼロというのが業界の常識だ。

「ですから、4代目倉本組としても直参(=6代目の3次団体)ではなく枝(=6代目の4次団体)の副組長ポストなら可能ではないかということで処遇しようと目論んだと聞きました。結局、藤田組長がそれを受け入れることはなかったようですが、2代目英組の若い衆の何人かは移籍したとのことですね」

 と、竹垣悟氏(元暴力団組長・現在はNPO法人主宰)。井上組長に命をかけているとの言葉通り忠誠心を示した格好だが、このまま行けば短くない刑期を務めることになりそうだ。

「神戸側を当初からど真ん中で支えてきた面々はすでに組織を去り、残っているのは井上組長の親衛隊のような存在だということです。熱心なファンとも言える親衛隊が悪いわけではありませんが、組織のために何か活動を展開するというよりは他によりどころがなく結びついているだけの関係とも言えるかもしれません」(同)

 その意味で、命をかけてくれるはずの藤田若頭補佐が当面、留守になるのは井上組長にとって大きな痛手だということなのだろう。

デイリー新潮編集部

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