「井上組長に命をかけている」 神戸山口組幹部の刺傷事件公判がスタート

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3代目弘道会傘下組織の名を

 神戸山口組の若頭補佐で2代目英(はなぶさ)組の藤田恭右組長と組の若い衆とされるフィリピン国籍の男が傷害容疑などで警視庁に逮捕されたのは、2022年7月のこと。その後、起訴され、ようやく初公判が始まったという。藤田組長は神戸山口組・井上邦雄組長に「命をかけている」と話していた最側近とされる人物だ。

 そもそも、藤田組長が傷害容疑などで逮捕されたのは、不審な男性とのトラブルが原因だった。昨年7月、東京都内にある藤田組長の自宅に、敵対する6代目山口組系の関係者がやってきて、周辺で動画撮影をするなどしていたという。そこで藤田組長宅にいた2代目英組の若い衆が出て行った後に藤田組長も加わり、結果的にその男性がナイフで刺されてしまったのだ。

 110番通報が入って警察官が現場に到着した際、刺された状態のこの男性は、6代目山口組傘下の3代目弘道会・3代目竹内組内2代目堀田組の名前を出したとされる。

6代目直参からの転落

 藤田組長の経歴をおさらいしておこう。2013年に6代目山口組の直参となったが、過去に覚せい剤事件に関与し、執行猶予中であることが露見したことで、執行部から絶縁処分を受けた。

 山口組は表向き薬物についてご法度で、中でも6代目の司忍組長はその方針を徹底してきた。藤田組長自身、自身の過去については事前に執行部側に伝えていたつもりだったという。が、処分が覆ることはなく、率いていた2代目英組もいったん解散。

 その後、藤田組長は6代目と対立する神戸山口組に参画することを決意し、組織も改めて再編成し、2代目英組を復活させた。

 2019年からは神戸山口組の若頭補佐に登用され、井上組長を最側近として支える立場となっていた。もっとも「井上組長に命をかけている」と公言してはばからない藤田組長をめぐっては、「6代目山口組に移籍したのではないか」との噂も駆け巡っていたという。

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