「利益率が9割以上のことも」 裏金、虚偽記載が横行する「政治資金パーティー」の闇に迫る

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 永田町でささやかれてきた年内解散が見送りとなった。増税批判に不祥事続発が原因といわれるが、混乱の背景には知られざる疑獄の芽もある。刑事告発された派閥パーティーの闇に特捜部のメスが入れば、「増税メガネ」こと岸田総理も断末魔を迎えるのだ。

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「自民党はこの件でかなりザワついていますよ」

 とは、政治ジャーナリストの青山和弘氏である。

「立件されるかどうかはともかく、検察が入ると、別の“掘り出し物”が出てしまう可能性もある。どうなるかわからないという恐怖におびえているといったところ。既に顧問弁護士が各派閥と話をしているそうで、検察の動きを注視しているのは確かです」

 新聞ではさらりと報じられた、ある刑事告発。それが晩秋の永田町で熱い話題となっている。

〈自民5派閥 過少記載疑い 告発状提出 パーティー収入4000万円〉(11月2日付 読売新聞)

 そう報じられた告発の内容を簡単にまとめると、容疑の対象となっているのは、自民党の主要5派閥、すなわち、清和政策研究会(安倍派)、平成研究会(茂木派)、志公会(麻生派)、宏池会(岸田派)、志帥会(二階派)の、それぞれの政治団体における会計責任者などだ。

名前や金額の記載がないケースが多数見つかり…

 これらの派閥は毎年1度、おおむね4~5月に派としての政治資金パーティーを開いている。政治資金パーティーを開いた場合、政治資金規正法の規定で、20万円を超えるパーティー券購入者の名前や購入額を政治資金収支報告書に記載しなければならない。しかし現在公開されている2018~21年の4年分の各派の収支報告書には、実際には20万円を超える額の購入を受けたにもかかわらず、その名前や金額の記載がないケースが多数あり、総額は5派閥で3942万円分に上る。これが政治資金規正法違反(不記載、虚偽記入)に当たるというわけだ。

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