岸田首相が池田大作氏弔問で政治不信深まる 「四月会」と反創価学会キャンペーンをどう説明するか

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 時事通信は11月20日、「岸田首相弔意、政教分離で波紋 政府『前ローマ教皇にも』 池田氏死去」の記事を配信した。11月15日、創価学会の池田大作名誉会長が老衰で死去。18日に事実が明らかになると、まず岸田首相はX(旧Twitter)に「深い悲しみにたえません」などと投稿した。

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 さらに19日、岸田首相は東京・信濃町にある創価学会本部別館を弔問のため訪れた。時事通信は、現職の首相が学会施設を訪れるのは《異例》と指摘。池田氏が学会を支持母体とする公明党の創立者であることから、《連立政権を組む同党に配慮したとみられる》と伝えた。

 ところが岸田首相の行動を、政教分離の観点から問題視する意見が相次いだ。例えば18日のコメントは「内閣総理大臣」と「自民党総裁」の肩書で出された。19日の弔問も首相としての行動だったのは、時事通信が報じた通りだ。

 特にSNSでは批判が殺到。時事通信も記事で《政教分離と関連付けて疑問視する意見が続出》と紹介し、ネット上における岸田首相の“炎上”を、ニュース価値が高いと判断したことを伺わせた。それではSNSがどんな状況なのか、具体的にXからいくつかのポストをご紹介しよう。

《政教分離の原則をなげ捨ててるじゃん》、《政教分離できずに脊髄反射でポストする総理の政治力低過ぎ》、《政教分離を無視して、誰に向かってアピールしたいのでしょうか》、《政教分離のはずなのに、選挙協力してもらったからですか?》……。

「創価学会は憲法違反」

 政府は火消しに躍起となった。松野博一官房長官は20日の記者会見で、岸田首相がXに投稿を行ったのは《個人として哀悼の意を表するため》と説明。他にも宗教団体幹部の死去に伴ってコメントを出した具体例として前ローマ教皇ベネディクト16世を挙げた。

 だが、この“釈明”にもXでは異論が相次いだ。例えば「岸田首相は個人として弔意を示した」との説明には、《【内閣総理大臣 岸田文雄】って長い名前の個人はいないよ》と揶揄。

 ベネディクト16世の名前が出たことには、《ベネディクト16世名誉教皇と創価学会池田大作名誉会長を同列にするの?》、《大川隆法さんが亡くなられた時は何も言わなかったよな?》──といった具合だ。

 さて、先に紹介した投稿以上に、厳しく創価学会や公明党を批判したコメントをご紹介しよう。ひょっとすると、かなりの方々が「まさに正論」と頷かれるかもしれない。

《一つのポイントは憲法第二〇条。二〇条には、(信教の自由の保障と同時に)いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならない、とありますが、創価学会はまさにこれに触れている状況にあるのです》

《日本の議員内閣制の場合、政治権力の最終決定権は、総理ではなく各大臣にあるんです。各省の決済は大臣で最終決済でしょう。それが池田大作の子分になっちゃっているんです。政治権力を行使する大臣が、池田氏の完全な支配下にある(略)それは憲法違反の状況なんですよ。これだけで内閣不信任の理由になると思いますよ》

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