【飯島愛・波乱万丈の人生】亡くなる2年前から痩せ始め、直前には「裏切られた」…何が彼女を孤独死に追い込んだのか

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 まさに波乱万丈の生涯でした。タレントだけでなく、エッセイスト、起業家……その才能を生かして多方面で活躍した飯島愛(1972~2008)。本人が一番驚いていた「引退報道」をきっかけにテレビから姿を消して1年ほど……突然もたらされた彼女の訃報に衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか。朝日新聞編集委員・小泉信一さんが様々なジャンルで活躍した人たちの人生の幕引きを前に抱いた諦念、無常観を探る連載「メメント・モリな人たち」。今回は彼女の突然の訃報の裏側にあった様々なドラマに迫ります。

クリスマス・イブの孤独死

 妊娠、中絶、整形手術……。波瀾万丈の36年の人生だった。クラブホステスなど夜の世界を転々とし、自分の身体を売ることも経験した。

 これでもかこれでもかというくらいに、自分の過去を赤裸々にさらけ出した自伝(小学館)が2000年にベストセラーとなる。その肉体から発散される「オーラ」で、世の男性の欲望を受け止めた。

 一方、学校や会社、家庭といった現実社会の中で自分の居場所が見つからず、悶々としていた女性からは、強い共感を持って迎えられたに違いない。

 とはいえ、飯島の素顔は寂しがりや。そして面倒くさがり。脱力系キャラそのままで、友人と食事をしに行く約束をしても突然のキャンセル。テレビ番組で何度も共演したことがある演出家・テリー伊藤(73)は「だらしないんですよ」とバッサリ斬る。

 切れ味の鋭いトークや本質をズバリ見抜く眼力など、普通の人には持っていない才能をテリーは高く評価するが、「世の中の常識を守っての社会生活を送ることは難しかった」と辛口の評価だ。

 異能といえば、飯島が執筆した原稿には読点もなければ句点もない。一読、何を書いているのか分からなかったが、丁寧に解読すると飯島でなければ書けないような「名文」が姿を現した。

 いずれにしても、亡くなったのが東京・渋谷の高層マンションで、遺体が発見されたのが2008年12月24日。そう、クリスマス・イブの日の孤独死である。心ない報道やさまざまな臆測が飛び交う中、翌25日の朝日新聞朝刊社会面は顔写真つきで事実のみを伝えている。

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